就職活動が厳しかった新入社員はコロナ前より増加

 東京商工会議所が同所研修センター主催の『新入社員ビジネス基礎講座』受講者を対象に実施した「2021年度新入社員意識調査」結果(有効回答数791人)によると、就職活動は、「厳しかった」(35.1%)、「やや厳しかった」(14.9%)の割合が増加した。近年横ばいで推移していた「厳しかった」、「やや厳しかった」と答えた割合(合計で50.0%)が増加に転じ、コロナ前の2019年度と比較して9.8ポイント増加となった。

 オンライン就職活動(面接・説明会など)について、主な感想をみると、苦労した点では、「目線・話すタイミングなど、面接中の対応が難しかった」、「通信環境・周囲の環境・機材の整備に苦労した」、「会社の情報・雰囲気が分からなかった」に苦労した声が多かった。良かった点(複数回答)では、「日程・時間調整がしやすかった」(50.6%)、「移動時間が短縮できた」(47.9%)、「費用が少なく済んだ」(43.1%)に回答が集まった。

 今の会社にいつまで働きたいかとの設問では、「定年まで勤務」の割合が増加したが、依然として転職・独立志向もある。近年減少傾向にあった「定年まで」が29.3%となり2019年度と比較して8.0ポイント増加となった。入社時点の「チャンスがあれば転職」(18.3%)、「将来は独立」(6.0%)、「時機を見て退職」(4.1%)の合計値は、28.4%となり、2019年度と比較して同水準だった。

 社会人生活では、人間関係・仕事の適性・私生活とのバランスに不安を抱く割合が多い。社会人生活で不安に思うこと(複数回答)は、「上司・先輩・同僚とうまくやっていけるか」が51.5%で最上位となったが、「仕事が自分に合っているか」(50.8%)や「仕事と私生活のバランスが取れるか」(47.9%)も同水準で上位となった。以下、「生活環境の変化についていけるか」(25.4%)、「会社の雰囲気になじめるか」(20.7%)などの不安が挙げられた。

 魅力に感じる企業の制度(複数回答)については、「働き方」や「成長環境」分野に魅力を感じる割合が多い。働き方改革にも関係する「年次有給休暇取得の推進」が53.7%で最も多く、次いで「時差出勤・フレックスタイム制勤務」(44.2%)が続いたほか、「資格(検定)等の取得支援」(42.0%)、「人材育成体系(研修計画)の充実」(40.7%)など、入社してからの成長環境に関する制度も上位となった。

 同調査結果は↓

https://www.tokyo-cci.or.jp/file.jsp?id=1025192