国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターらの研究グループは、新型コロナウイルスワクチンに関して「ワクチンを打ちたくない」と答えた人(ワクチン忌避者)の割合と、関連する要因を明らかにするために、2021年2月に全国全ての都道府県から2万6000人が参加する大規模インターネット調査を実施した。調査結果によると、新型コロナウイルスワクチン忌避者は全国で約1割であることが明らかになった。
ワクチン忌避者は全体で11.3%だった。ワクチン忌避者の割合は、若年女性の15.6%から高齢男性の4.8%まで年齢・性別で大きなばらつきがあった。特に、15~39歳の若年者と65~79歳の高齢者では2倍以上の割合の差があった。また、ワクチン忌避の理由としては、73.9%と約7割が「副反応の心配」を、19.4%と約2割が「効果があると思わないこと」を挙げていた。
ワクチン忌避者のうち70%以上が、「副反応が心配だから」と回答したが、特に65~79歳の高齢者では、80%以上がワクチン忌避の理由として「副反応が心配だから」を挙げていた。高齢者は重症化のリスクが高く、ワクチン接種率を高めていく必要性が高いことから、ワクチンの副反応や、その対処法に関する正確な情報提供を行い、ワクチンの副反応の不安をより軽減するような情報提供が必要と指摘している。
さらに、同研究の結果では、一人暮らし、所得水準 (100万円以上600万円未満を基準としたとき100万円未満)、最終学歴 (大学卒を基準としたとき中学卒業および短大・専門学校卒業)、政府ないしコロナ政策への不信感がある人、重度の気分の落ち込みがある人では、ワクチン忌避者の割合が高かった。特にこれらの人たちに対してワクチンの信頼性を高めるような支援が必要であることを示している。
同研究グループは「例えば、ワクチンに対する信頼性が、新型コロナウイルスに対する不適切な情報(副反応に関する根拠に基づかない情報など)によって損なわれていることについての情報提供や、ワクチンを打つことが地域や社会の健康と回復につながるというワクチン接種に対するポジティブな感情を引き起こすようなメッセージを増やすことが必要」との考えを示している。
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