日本政策金融公庫が、飲食業や理・美容業、クリーニング業などを対象に9月上旬に実施した「生活衛生関係営業の価格動向に関するアンケート調査」結果(有効回答数3092社)によると、仕入価格の動向は、「上昇した」と回答した企業割合が56.2%と、2期連続で前年同期を上回った。業種別にみると、「飲食業」(75.2%)、「ホテル・旅館業」(72.4%)、「クリーニング業」(72.3%)、「食肉・食鳥肉販売業」(62.45)が全体を上回った。
仕入価格上昇の背景(2つまで回答)は、「天災・天候不順」(54.0%)、「原油価格の上昇」(37.0%)、「原材料等の生産量の不足」(25.5%)の順に高い。仕入価格上昇の経営悪化に「影響がある」との回答企業割合が83.9%と、前年同期を3.1ポイント上回った。業種別にみると、仕入価格上昇の経営悪化に「影響がある」との回答は、「公衆浴場業」(92.9%)、「ホテル・旅館業」(88.9%)、「食肉・食鳥肉販売業」(86.8%)の順に高い。
仕入価格上昇への対策(複数回答)は、「諸経費(人件費、光熱費等)の削減」(37.9%)、「原材料等のコスト管理の徹底(廃棄ロスの削減など)」(32.8%)、「仕入先の変更」(32.1%)の順に高い。また、仕入価格上昇への対策で効果的だったもの(2つまで回答)は、「諸経費(人件費、光熱費等)の削減」(33.7%)、「仕入先の変更」(31.1%)、「原材料等のコスト管理の徹底(廃棄ロスの削減など)」(28.3%)の順に高くなっている。
仕入価格上昇分の販売価格への転嫁についてみると、「全く転嫁できていない」と回答した企業割合が57.2%と、全体の約6割を占めた。一方で、「一部転嫁できている」は30.6%、「概ね転嫁できている」は6.9%、「全て転嫁できている」は2.3%だった。業種別にみると、「全く転嫁できていない」と回答した企業割合は、「公衆浴場業」(78.6%)、「クリーニング業」(69.1%)、「ホテル・旅館業」(62.7%)の順に高い。
販売価格の動向については、「引き上げた」と回答した企業割合が17.3%と、2期連続で前年同期を上回った。業種別にみると、「引き上げた」と回答した企業割合は、「食肉・食鳥肉販売業」(33.1%)、「氷雪販売業」(26.9%)、「ホテル・旅館業」(24.7%)、「飲食業」(21.7%)、「クリーニング業」(18.5%)が全体を上回った。今後1年間の販売価格の見通しは、「引き上げる」と回答した企業割合が20.2%となっている。
同調査結果は↓
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/seikatsu30_1207a.pdf