企業におけるテレワークの導入が急速に進み、導入企業の割合は47.5%と、前回2019年調査(20.2%)から倍以上に上昇していることが、総務省がこのほど公表した、2020年8月末の世帯及び企業における情報通信サービスの利用状況等について調査した「通信利用動向調査」結果(有効回答数1万7345世帯、2223社)で分かった。今後導入予定がある企業(10.7%)を含めた割合は58.2%と6割近くに達している。
導入しているテレワークの形態は、「在宅勤務」の割合が87.4%。産業別にみると、全産業で大きく伸びており、特に「情報通信業」の大半(92.7%)が導入しているほか、「不動産業」(68.1%)や「金融・保険業」(67.6%)の割合が高い。資本金規模別にみると、「10億円~50億円未満」の企業の導入率が87.1%と最も高く、テレワークを利用する従業員の割合は「5%未満」が37.6%と最も高くなっている。
テレワークの主な導入目的(複数回答)は、「非常時(感染症流行など)の事業継続」の割合が68.3%と最も高く、前回調査(26.0%)から大きく上昇。次いで、「勤務者の移動時間の短縮・混雑回避」(43.1%)の割合が高い。他方、「業務の効率性(生産性)の向上」(29.7%)の割合は低下している。テレワークを導入していない企業の理由(複数回答)は、「テレワークに適した仕事がないから」が80.0%で最も高かった。
また、クラウドサービスを利用している企業の割合も上昇傾向が続き、「全社的に利用」(39.4%)、「一部の事業所又は部門で利用」(29.3%)を合計すると7割近くに達している。利用用途(複数回答)は、「ファイル保管・データ共用」(59.4%)や「電子メール」(50.3%)が、利用する理由(複数回答)は、「場所、機器を選ばずに利用できるから」(46.8%)や「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」(43.5%)が多い。
なお、「スマートフォン」を保有している世帯の割合が86.8%と堅調に伸びており、「パソコン」(70.1%)、「固定電話」(68.1%)を保有している世帯の割合を上回っている。個人の保有割合(69.3%)も増加傾向にある一方で、「携帯電話・PHS」(21.8%)は減少傾向が続いている。個人のインターネット利用機器は、引き続き「スマートフォン」(68.3%)が「パソコン」(50.4%)を上回り、20~39 歳の各年齢階層で9割以上が利用している。
同調査結果の概要は↓