昨今、脱炭素社会を実現するための考え方として、「カーボンニュートラル(炭素中立:生産・活動によって排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素が同じ量で相殺されている(中立)状態)」への関心が高まっている。電通が全国10~70代の男女計1400人を対象に実施した「カーボンニュートラルに関する生活者調査」結果によると、生活者の7割以上が脱炭素社会の実現に向けた取組みの必要性を認識していることが分かった。
カーボンニュートラルの認知については、「内容まで知っている」(14.6%)又は「内容は知らないが、言葉だけは知っている」(27.5%)と回答した生活者の構成比の合計は42.0%だったが、内容理解の浸透は課題といえる。カーボンニュートラルの実現に向けた取組みの必要性は、74.2%と7割以上の生活者が感じており、理解は正確でなくても、社会全体にとって必要であるという認識は浸透していることがうかがえる。
経済産業省が発表した2050年カーボンニュートラル実現に向けた「グリーン成長戦略」の14の重点分野について、各取組みの認識状況を調査した結果、「自動車の脱炭素化・蓄電池技術」と「資源循環型社会」の取組みに対してはやや認知されているが、総じて、現状では14の重点分野の取組みに関する認知は低い傾向にあった。また、カーボンニュートラルの実現に向けた各取組みについて、今後必要性意識が高まりそうかを聞いた。
その結果、ほぼ全ての項目で「高まりそう・増えそう」が半数以上だったが、特に「自動車の脱炭素化・蓄電池技術の実現」、「資源循環型社会の実現」の必要性意識が高まりそう。カーボンニュートラルの実現に向けて「先導してほしい」と特に思われているのは、国(政府・関係省庁)。話を「聞きたい」、「賛同できる」と特に思われているのは、研究機関。「取組みに期待する」と特に思われているのは、大企業、国、研究機関だった。
カーボンニュートラルの実現に向けて取り組む企業に対する評価としては、「応援したい」が特に高く、71.0%にのぼった。次いで「商品・サービスを購入したい・利用したい」(58.5%)、「信頼できる」(58.0%)、「長期にわたって利用したい」(55.7%)が高い。また、取り組む企業に対する情緒的価値としては、特に「時代変化に適応している」、「チャレンジ精神がある」、「長期的な視点で取り組んでいる」、「今後の取り組みに期待できる」が高かった。
同調査結果は↓