企業の75.9%がコロナで「業績へマイナスの影響」

 帝国データバンクがこのほど発表した「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」結果(有効回答数1万1242社)によると、新型コロナウイルス感染症による自社の業績への影響は、「(既に+今後)マイナスの影響がある」と見込む企業は75.9%(前月比0.5ポイント増)にのぼることが分かった。一方で、「(既に+今後)プラスの影響がある」と見込む企業は4.1%となり、前月と同水準だった。

 業種別にみると、「マイナスの影響がある」と見込む企業は、「旅館・ホテル」が 100.0%となり最も高く、「飲食店」(94.9%)、「広告関連」(91.3%)、「繊維・繊維製品・服飾品小売」(90.9%)、「繊維・繊維製品・服飾品卸売」(90.4%)が9割台で続いた。他方、「プラスの影響がある」と見込む企業は、総合スーパーなどを含む「各種商品小売」が 20.0%、「飲食料品小売」(16.2%)、「電気通信」(14.3%)、「家具類小売」(12.5%)が続いた。

 1年以上にわたり新型コロナウイルス感染症で経済活動が制約されるなか、自社が実施した、もしくは実施している施策(複数回答)については、「政府系金融機関による特別融資の利用」が42.1%で最高となった。次いで、「民間金融機関への融資相談」(34.3%)、「雇用調整助成金の利用」(30.9%)、「持続化給付金の利用」(26.5%)、「テレワーク設備などIT投資の推進」(24.7%)が上位に並んだ。

 また、今後実施を検討している施策(複数回答)については、勤務時間内での接種承認やシフト勤務、特別休暇付与など「従業員がワクチン接種をしやすくする工夫」が 20.7%でトップとなり、5社に1社は従業員のワクチン接種を促す仕組みを検討している。以下、接種の手順や注意点など「ワクチン接種に関する従業員への情報提供」(14.7%)、「従業員のワクチン接種状況の一元管理」(14.0%)が続いている。

 調査の結果、新型コロナ感染症により多くの企業が業績にマイナスの影響を見込んでいたが、帝国データバンクは、「感染者数の高止まりや従来型より感染力が強いとされる変異型ウイルスが広がるなど、企業を取り巻く経営環境の厳しさは続く。政府には、いまこそワクチン接種の推進をはじめとする感染拡大防止策を最大限に推し進め、同時に日本経済再生・企業活動の継続につながる経済対策の実行が求められている」とコメントしている。

 同調査結果は↓

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p210602.pdf