博報堂の生活総研が、首都・名古屋・阪神在住の20~69歳の男女の消費者1500名を対象に実施した「来月の消費予報」によると、6月の消費意欲指数は45.2点で、前月比は-2.4ポイント、前年比でも-2.6ポイントとともに低下した。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスがある人の割合は、全体では前月比+0.6ポイント、前年比-3.6ポイントの27.1%となった。
消費意欲指数は、調査パネルの一般生活者1500名に対し、「消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(6月)の消費意欲は何点ぐらいか」と質問したもの。例年6月は、大型連休と夏休みの狭間で消費意欲指数が低下する月だが、今年は前月比・前年比ともに低下し、6月として過去10年の最低値となった。
消費意欲指数の理由(OA)を前月と比べると、連休や季節催事が少ない6月らしく「季節柄の出費や意欲向上(21年5月129件→21年6月59件)」が大きく減っているのに加え、「自粛要請/緊急事態宣言のため(5月91件→6月123件)」など、コロナ禍に関する消費にネガティブな回答が増加している。感染者数増加に伴う緊急事態宣言の延長や地域拡大などが、前月からの消費意欲の低下を大きくしているようだ。
前年6月は自粛の反動による消費意欲の高まりで、指数は過去5年の最高値だったが、今年はその反動も落ち着いたようだ。消費意欲指数の理由を前年と比較すると、「反動で買い物や外出したい(20年6月80件→21年6月21件)」や「(コロナで)我慢しているので消費したい(同51件→5件)」は前年から大きく減少。さらに、「コロナの状況が緩和・収束しそう(同40件→8件)」といった、コロナ収束に期待する回答も減っている。
コロナ禍が1年以上に長期化し、自粛の反動による消費が一巡したうえに、コロナ収束への期待も持てず、例年以上に消費意欲が落ち込んでいることがうかがえる。また、カテゴリー別の消費意向では、前年と比べて「外食」、「理美容」、「旅行」、「レジャー」など外出関連のカテゴリーが20件以上減少しているが、前月と比べると「日用品」、「理美容」は20件以上増え、日常生活で必要度の高いカテゴリーへの消費意向は健在のようだ。
同調査結果は↓