日本政策金融公庫が発表した「2019年の中小企業の景況見通し調査」結果(有効回答数572社)によると、2019年の業況判断DI(前年比、「改善」-「悪化」)は、5.4と、2018年から5.6ポイント低下する見通しとなった。2019年の業況判断DIを需要分野別にみると、「建設関連」(10.6)、「食生活関連」(19.7)で上昇、「設備投資関連」(5.4)、「乗用車関連」(1.7)、「電機・電子関連」(8.0)、「衣生活関連」(▲19.5)は低下する見通し。
2018年の業況が「改善」と判断した要因(3つまで回答)をみると、「国内需要の動向」の割合が78.6%で最も高く、次いで「海外経済の動向」(27.0%)、「製・商品の販売価格の動向」(22.0%)の順。一方、「悪化」と判断した要因(同)をみると、「国内需要の動向」の割合が60.8%で最も高く、次いで「主要原材料等の仕入価格の動向」(39.2%)、「製・商品の販売価格の動向」(29.9%)の順となっている。
2019年の売上高DI(前年比、「増加」-「減少」)は、11.7と、2018年から3.0ポイント低下する見通し。2019年の経常利益額DI(同)は、3.5と、2018年から3.0ポイント上昇する見通し。2019年の販売価格DI(前年比、「上昇」-「低下」)は、10.8と、2018年から4.2ポイント低下する見通し。2019年の仕入価格DI(同)は、29.5と、2018年から9.8ポイント低下する見通し。
また、2019年の設備投資額DI(前年比、「増加」-「減少」)は、▲0.6と、2018年から8.7ポイント低下する見通し。2019年の従業員数DI(同)は、15.6と、2018年から3.0ポイント上昇する見通し。2019年の資金繰りDI(前年比、「緩和」-「悪化」)、貸出態度DI(同)、借入残高DI(前年比、「増加」-「減少」)は、2018年より低下する見通し。2019年の借入金利DI(前年比、「上昇」-「低下」)は、2018年より上昇する見通し。
2019年に向けての不安要素(3つまで回答)は、「人材の不足・育成難」が65.3%と、「国内の消費低迷、販売不振」(63.6%)を上回り、第1位。「原材料価格、燃料コストの高騰」や「海外経済の減速による輸出減少」などの割合は、前年調査に比べ上昇。最も期待する要素は、「2020年予定の東京五輪に伴う需要の発生」が17.3%と、最も高く、「2019年予定の消費増税に伴う駆込み需要の発生」は、前年調査に比べ大きく上昇している。