過去3年間での勤務先での「パワハラ」経験は31%

 厚生厚生労働省は、2016年度に実施した「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」から4年が経過したことから、2020年度に同調査を実施、公表した。調査結果(有効回答数:6426社、8000人)によると、パワハラ、セクハラ及び顧客等からの著しい迷惑行為について、過去3年間に勤務先で各ハラスメントを一度以上経験した者の割合は、「パワハラ」31.4%、「顧客等からの著しい迷惑行為」15.0%、「セクハラ」10.2%となった。

 過去3年間にパワハラを経験した者の割合を男女別でみると、男性(33.3%)のほうが女性(29.1%)よりも高かった。従業員規模別では、100~299人以下の企業(36.3%)で最も高く、99人以下の企業(30.0%)で最も低かった。また、セクハラの経験割合を男女別でみると、女性(12.8%)のほうが男性(7.9%)よりも高かった。従業員規模別では、100~299 人以下の企業(12.4%)で最も高く、1000 人以上の企業で最も低かった。

 受けたハラスメントの内容(複数回答)としては、「精神的な攻撃」(49.4%)の割合が最も高く、次いで「過大な要求」(33.3%)。男女別でみると、「過大な要求」の割合は男性のほうが高く、「人間関係からの切り離し」や「個の侵害」の割合は女性のほうが高かった。また、受けたセクハラの内容(同)としては、「性的な冗談やからかい」(49.8%)の割合が最も高く、次いで「不必要な身体への接触」(22.7%)が高かった。

 男女別では、「性的な冗談やからかい」、「不必要な身体への接触」、「食事やデートへの執拗な誘い」は女性のほうが高く、「性的な言動に対して拒否・抵抗したことによる不利益な取扱い」、「性的な内容の情報の流布」などは男性のほうが高かった。受けた顧客等からの著しい迷惑行為の内容(複数回答)では、「長時間の拘束や同じ内容を繰り返すクレーム(過度なもの)」(52.0%)、「名誉棄損・侮辱・ひどい暴言」(46.9%)が上位となった。

 ハラスメントを受けた場所(複数回答)としては、パワハラ、セクハラ、顧客等からの著しい迷惑行為ともに「通常就業している場所」の割合が最も高かった(それぞれ86.4%、67.0%、60.7%)。パワハラ、セクハラの行為者(複数回答)については、「上司(役員以外)」の割合が最も高く(各67.9%、55.2%)、次いで「会社の幹部(役員)」(各24.7%、21.6%)、「同僚」(各18.5%、21.0%)となっている。

 同調査結果は↓

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18384.html