20年労働災害死亡者数は過去最少の802人~厚労省

 2020年における労働災害による死亡者数は802人で、2019年に比べ▲43人(▲5.1%)の減少となり、3年連続で過去最少となったことが、厚生労働省がこのほど公表した2020年の労働災害発生状況で明らかになった。死亡者数が多い業種は、「建設業」の258人(前年比▲11人・▲4.1%)、「製造業」の136人(同▲5人・▲3.5%)、「林業」の36人(同3人・9.1%増)となっている。

 死亡災害は過去最少となったが、労働災害による死亡・休業4日以上の死傷者数は13万1156人となり、2019年に比べ5545人(4.4%)増と2年ぶりの増加となった。死傷者数が多い業種は、「陸上貨物運送事業」が1万5815人(前年比433人・2.8%増)、「小売業」が1万5341人(同675人・4.6%増)、「社会福祉施設」が1万3267人(同3222人・32.1%増)と増加。「飲食業」が4953人(同▲188人・▲3.7%)と減少した。

 事故の型別による発生状況をみると、死傷者数では「墜落、転落」が24%で最多、次いで「交通事故(道路)」が20%、死傷者数では「転倒」が24%で最多、次いで「転落、墜落」が16%だった。特に死傷者数が最多の「転倒」(前年比943人・3.1%増)、「動作の反動・無理な動作」(同1412人・8.0%増)で増加した。また、年齢別では、60歳以上が全死傷者数の約4分の1を占め、3万4928人(同1213人・3.6%増)となった。

 業種別の労働災害発生状況をみると、「製造業」の死亡者数は136人(前年比▲3.5%)でとなり、2年連続で減少し、事故の型別では、機械による「はさまれ・巻き込まれ」が最も多く、「激突され」(同▲50%)で減少した。「建設業」の死亡者数は258人(同▲4.1%)で、3年連続で減少し、事故の型別では、最多である「墜落・転落」が初めて100人を下回る結果となった。

 「林業」の死亡者数は36人(前年比9.1%増)で、最多である「激突され」は前年同となったが、「墜落・転落」(同28.6%増)等で増加。「陸上貨物運送事業」の死傷者数は1万5815人(同2.8%増)で、「墜落・転落」が最多、「転倒」(同6.0%増)及び「動作の反動・無理な動作」(同10.5%増)で増加。「小売業」、「社会福祉施設」及び「飲食店」の死傷者数は、「転倒」と「動作の反動・無理な動作」が多くを占めており、増加傾向にある。

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https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18226.html