賞与の決定方法、業績連動方式を導入企業が最高値

 日本経団連が発表した「2020年夏季・冬季賞与・一時金調査」結果(有効回答数357社)によると、賞与・一時金総額(原資)の決定方法として業績連動方式を導入している企業の割合は60.1%(前年比+0.6ポイント)で、本項目の調査を開始した1987年以降の最高値を2年連続(2019年59.5%)で更新し、初めて6割超となった。基準とする指標(複数回答)は、「営業利益」(57.1%)が最多、「経常利益」(35.7%)が多い傾向に変化はない。

 賞与・一時金の水準を非管理職・管理職別にみると、非管理職では、夏季74万1504円(対前年増減率▲1.5%)、冬季68万3471円(同▲4.4%)、管理職では、夏季151万1632円(同▲3.0%)、冬季134万5972円(同▲5.2%)と、いずれも前年と比べマイナスとなった。コロナ禍等の影響により、夏季・冬季ともにリーマン・ショック後の2009年に次ぐ減少率となった。

 非管理職を産業別にみると、製造業平均では、夏季(72万7704円、対前年増減率▲3.5%)と冬季(69万7662円、同▲5.5%)ともに前年から減少。一方、非製造業平均は、夏季(75万3771円、同+0.3%)は前年比増となったが、冬季(67万679円、同▲3.3%円)は減少した。各産業の対前年増減率をみると、「紙・パルプ」(夏季+5.6%、冬季+2.3%)や「運輸・通信業」(同+1.0%、同+1.6%)などで夏季・冬季ともにプラスとなった。

 1人当たり平均賞与支給額を100として配分比率を高い順にみると、非管理職では、「考課査定分」が37.6、「定額分」が30.1、「定率分」が28.8であり、管理職では、「考課査定分」が48.4、「定額分」が28.0、「定率分」が19.8と、どちらも同じ順番となっている。5年ごとの経年でみると、非管理職・管理職ともに「考課査定分」と「定額分」が増加し、「定率分」が減少傾向にある。

 標準者を0とした考課査定幅の分布状況は、非管理職・管理職とも「最高と最低の幅が同じ場合」では「10%以上 20%未満」が、「最高と最低の幅が異なる場合」では「50%以上」が最も多い。この傾向は、2016年から続いている。5年前の2015年と比較すると、「最高と最低の幅が同じ場合」では、非管理職には大きな変化は見られないが、管理職では「10%以上 20%未満」が6.5ポイント上昇し 25.0%にのぼっている。

 同調査結果は↓

2020年「夏季・冬季 賞与・一時金調査結果」の概要 (keidanren.or.jp)

http://www.keidanren.or.jp/policy/2019/030.pdf