上場企業の監査法人異動、10月までに160社が発表

 帝国データバンクがこのほど発表した「上場企業の監査法人異動調査」結果によると、2018年1月~10月に会計監査人の異動に関する適時開示を行った国内上場企業は160社となり、前年同期(2017年1月~10月=113社)比で47社増加(41.6%増)した。大幅増となった要因は、2018 年7月2日付で「太陽有限責任監査法人」(存続法人)と「優成監査法人」(消滅法人)が合併したことに伴う異動が53社で発生したため。

 160社を市場別にみると、「東証1部」が53社(構成比33.1%)で最多。以下、「東証JASDAQ」(44社、同27.5%)、「東証マザーズ」(27社、同16.9%)、「東証2部」(22社、同13.8%)と続いた。さらに、合併による異動(55社)を除いた105社でみると、「東証1部」(32社、同30.5%)、「東証JASDAQ」(27社、同25.7%)、「東証マザーズ」(20社、同19.0%)、「東証2部」(12社、同11.4%)となり、上位の順位に変動はなかった。

 160社の新たに就任した監査法人をみると、7月に「優成監査法人」と合併して存続法人となった「太陽有限責任監査法人」が63社で最多。以下、「有限責任あずさ監査法人」(9社)、「有限責任監査法人トーマツ」(7社)と続いた。一方、退任(辞任、消滅含)した監査法人では、太陽有限責任監査法人との合併により消滅法人となった「優成監査法人」が54社で最多、次いで「有限責任監査法人トーマツ」(42社)が続いた。

 160社の異動理由をみると、「契約の任期満了」(92社、構成比57.5%)、「監査法人の合併」(55社、同34.4%)と続き、このふたつで147件(構成比91.9%)と約9割を占めた。その他13社の異動理由には「合意解除」、「監査法人から退任要請」、「合意に至らず解除」などがあり、企業と監査法人の間で見解の相違や何らかの問題が生じているケースもみられるなど、新しく就任した監査法人との関係や業績への影響などが注目される。

 同調査結果は↓
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p181109.pdf