3月の倒産件数648件、8ヵ月連続の前年同月比減少

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、3月の倒産件数は648件で、前月比は46.6%増となったものの、前年同月比では▲12.9%となり、8ヵ月連続で前年同月を下回った。8ヵ月以上の連続減少は2013年8月~2015年2月(19ヵ月連続)以来。業種別では、7業種中卸売業や製造業など4業種で、地域別では9地域中7地域で、前年同月に比べそれぞれ減少した。

 一方、負債総額は1400億5300万円(前月777億4500万円、前年同月890億1900万円)、前月比では80.1%増、前年同月比でも57.3%増の大幅増加となって、2ヵ月連続で前年同月を上回った。2020年度では、2020年12月の1450億300万円に次いで3番目の高水準。負債5000万円未満の小規模倒産が411件、構成比は63.4%を占めた。負債額最大の倒産は、(株)F-Power(東京都、会社更生)の約494億円だった。

 倒産件数を業種別にみると、7業種中4業種で前年同月から減少率二ケタ以上と大幅に下回った。なかでも卸売業(82件、前年同月比▲27.4%)は、飲食料品卸売業(16件、同▲56.8%)が前年同月から半減した。製造業は、今年4月からスタートした総額表示対応などで印刷需要が高まったことも背景に、出版・印刷・同関連産業(5件、同▲58.3%)が大幅減少となった。

 負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は411件(前年同月比▲12.6%)で、構成比は63.4%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満(個人事業主を含む)の合計が441件(同▲13.0%)で構成比は68.1%と高水準で推移した。負債5000万円未満の倒産では、小売業(116件)が構成比28.2%を占め最多、サービス業(100件)が同24.3%で続く。

 地域別にみると、9地域中7地域で前年同月を下回った。最も減少率が大きいのは北陸(16件、前年同月比▲40.7%)で、以下 東北(29件、同▲38.3%)、九州(46件、同▲34.3%)、四国(14件、同▲22.2%)と続いた。一方、北海道(22件、同83.3%増)と中国(30件、同15.4%増)の2地域は前年同月を上回り、このうち北海道は前年同月からほぼ倍増となった。

 同倒産状況の概要は↓

https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/2103.html