飲食店倒産715件、「酒場・ビヤホール」は過去最多

 帝国データバンクがこのほど発表した2020年度(2020年4月~2021年3月)の「飲食店事業者の倒産動向調査」結果によると、同期間における飲食店事業者の倒産は715件発生し、2年連続の700件超えとなり、過去3番目の高水準となったことが分かった。同調査は、飲食事業を主業とする事業者(法人・個人事業者)で、法的整理かつ負債1000万円以上を対象として集計・分析したもの。

 月別でみると、4月は75件で前年同月比15.4%増加したが、5月は弁護士事務所や裁判所の業務縮小などの影響で18件、同▲72.7%と大幅に減少。その反動で6月は90件、同60.7%増と一転大幅増加し、9月まで4ヵ月増加。10月66件、同▲8.3%、11月63件、同8.6%増。感染拡大第3波発生の12月は44件、▲31.3%となり、以降は、営業時間短縮の協力金の効果などもあって、3月までは前年度を大幅に下回った。

 業態別でみると、「酒場・ビヤホール」が183件(構成比25.6%)で最多となり、2019年度(180件)を上回って2000年度以降で最多を更新した。次いで、「中華・東洋料理店」(99件、構成比13.8%)、「西洋料理店」(92件、同12.9%)、「日本料理店」(67件、同9.4%)が続く。以下、「バー・キャバレーなど」(61件、8.5%)、「喫茶店」(58件、同8.1%)、「一般食堂」(55件、同7.7%)の順となっている。

 また、負債規模別でみると、「5000万円未満」が562件(構成比78.6%)で約8割を占めて最も多く、飲食店倒産は中小・零細規模が多いことがうかがえる。次いで「5000万円~1億円未満」が76件(同10.6%)、「1億円~5億円未満」が51件(同6.5%)と続く。「5000万円~1億円未満」の負債額は、2014年度(72件、同12.2%)以降6年ぶりに構成比が10%を超えた。

 同調査結果は↓

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p210401.pdf