2020年の女性の平均賃金は過去最高の25万1900円

 厚生労働省が3月31日に発表した「2020年賃金構造基本統計調査」結果(有効回答数4万8007事業所)によると、フルタイムで働く一般労働者の平均賃金は、男女計で30万7700円(平均43.2歳、勤続11.9年)、前年に比べ0.6%増加して過去最高となった。同調査は、10人以上の常用労働者を雇用する民間事業所を対象に、2020年6月分の賃金等(賞与、期末手当等特別給与額については2019年1年間)を調べたもの。

 平均賃金を男女別にみると、男性は前年比0.8%増の33万8800円(平均43.8歳、勤続13.4年)、女性は同0.8%増の25万1900円(同42.0歳、9.3年)となり、女性は7年連続で過去最高を更新し、フルタイムで働く女性の待遇改善が進んだ。この結果、男女間賃金格差(男性の賃金を100)は、74.4(前年74.3)で、0.1ポイントの縮小となっており、比較可能な1976年(昭和51年)調査以降で過去最小となっている。

 企業規模別に賃金をみると、男性では、「大企業」が37万7100円(前年比0.2%増)、「中企業」が33万1700円(同2.3%増)、「小企業」が30万2400円(同0.8%増)となり、男性は全ての企業規模で前年を上回った。女性では、「大企業」が26万6400円(同▲0.4%減)、「中企業」が25万3200円(同2.1%増)、「小企業」が23万2900円(同1.0%増)と、女性は中企業及び小企業で前年を上回っている。

 また、主な産業別に賃金をみると、男性では、「金融業、保険業」が47万9200円で最も高く、次いで「教育、学習支援業」が42万9400円で続き、最も低いのは「宿泊業、飲食サービス業」の27万8200円だった。一方、女性では、「情報通信業」が31万5500円で最も高く、次いで「教育、学習支援業」が30万6900円で続き、「宿泊業、飲食サービス業」が20万9600円で最も低くなっている。

 なお、一般労働者のうち、雇用期間の定めのない者について、役職別の賃金をみると、男性では、「部長級」が60万1700円(年齢52.9歳、勤続年数22.3年)、「課長級」が49万9000円(同48.5歳、20.6年)、「係長級」が38万1700円(同44.8歳、17.9年)、女性では、「部長級」が52万500円(同52.2歳、18.2年)、「課長級」が44万3100円(同49.0歳、18.5年)、「係長級」が33万7300円(同45.7歳、16.4年)となっている。

 同調査結果の概況は↓

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/dl/13.pdf