産労総合研究所が、大学新卒予定者107人、大学キャリアセンター約300校、採用・就職支援者約10人、企業担当者約300人を対象に実施した「2021年3月卒業予定者の採用・就職に関する調査」結果によると、2021年3月卒業予定者の就職活動では、新型コロナウイルス感染拡大に伴って、2020年2月頃より、就職イベント、選考が中止・延期となり、オンラインでの採用選考に切り替える企業が増加したことが分かった。
学生が体験した採用・就職のイベントのうち、オンラインで実施されたのは、「会社説明会」(84%)、「一次面接」(80%)が多く、「最終面接」でも48%、「内定式」でも42%となっている。これに対して大学キャリアセンターが行った支援内容をみると、「個別相談・個別指導」(95%)、「オンライン面接対策の情報提供」(83%)、「オンライン面接対策講座・セミナーの実施」(78%)が多くなっている。
大学で行った就職活動支援のうち(2020年4月~2021年2月)、オンライン(インターネットに接続して行うコミュニケーション。メール、チャット等を含む)と対面の割合は、就職セミナー・講座は、「全てオンライン」が45%、「オンラインのほうが対面より多い」のは38% で、オンラインによって多く行われた様子がうかがえる。学内企業説明会も、「全てオンライン」は50% 、「オンラインのほうが対面より多い」は29%となっている。
相談・個別指導については「全てオンライン」は7% と少なく、就職セミナー・講座、学内企業説明会と比べると、より多く対面によって行われたようだ。また、2021年3月卒業予定者が、就職活動中に迷ったときや困ったときに、アドバイスや情報を得た相手(複数回答)は、「親」(57%)、「大学キャリアセンター」(50%)、「友人」(46%)の順となった。このところ活用が増えているという「就活エージェント」は33%だった。
2021年3月卒業予定者が、就職先を選ぶときに重視したことは、「自分の能力、個性が生かせるから」(36%)、「仕事がおもしろいから」(23% )、「会社の将来を考えて」(15%)がベスト3。また、就職先候補を検討する際、新型コロナウイルス感染拡大の影響、対応などについての考慮では(複数回答)、「経営へのダメージが少なそうな企業を選んだ」のは42%、「就活生への感染拡大防止の対策を十分に行っている企業を選んだ」のは28%となった。
同調査結果は↓