全国未上場建設業の売上・利益が過去10年間で最高

 東京商工リサーチが発表した「全国未上場建設業の2017年度業績調査」結果によると、未上場建設会社13万8645社の2017年度の売上高合計は62兆5909億円で、2016年度より2.2%(1兆3795億円)増加した。東日本大震災後の2011年度以降、7年連続で前期を上回り、過去10年間で最高となった。復興需要のほか、東京五輪・パラリンピックに向けたインフラ整備、首都圏を中心とした商業施設やビルの大型工事が売上高を牽引した。

 調査は、同社が保有する国内最大級の企業データベース(約480万社)を活用し、主業種が「建設業」のうち、2007年度から2017年度まで、11年間の単体の業績比較が可能な未上場建設会社、13万8645社を抽出し、分析したもの。利益合計は1兆9588億円で、前期より12.7%増と大幅に増加した。リーマン・ショック以降、地場大手の建設会社を中心に選別受注を強め、採算性が大幅に改善した。

 業種別の売上高では、「総合工事業」が34兆4725億円で、前期より2.7%増加。2011年度以降、7年連続で前期を上回り、10年間で最高となった。また、「職別工事業」(大工工事、鉄骨工事、塗装工事、内装工事など)は11兆4219億円で、同2.1%増加。「設備工事業」(電気工事、管工事、機械器具設置工事など)は16兆6965億円で、同1.2%増加し、総合工事業と同様に2011年度以降、7年連続で前期を上回った。

 資本金別の売上高では、資本金1億円以上の大企業が18兆6989億円で、前期より2.8%増加し、7年連続で前期を上回った。同1億円未満の中小企業は43兆8920億円で、同2.0%増加した。大企業だけでなく、中小の建設業者も売上を伸ばしているが、伸び率は大企業が0.8ポイント上回った。業種別の利益では、「総合工事業」が1兆477億円で、同18.2%増加と、2008年度以降、過去10年で最高の利益となった。

 また、「職別工事業」は3281億円で、前期より2.9%増加。「設備工事業」は5829億円で、同9.4%増加し、7年連続で前期を上回った。総合工事業で選別受注が進み、職別工事業や設備工事業では下請け受注も単価の改善が進んでいるようだ。資本金別の利益は、資本金1億円以上が7497億円で同11.2%増加し、6年連続で増加した。同1億円未満は1兆2091億円で、同13.7%増加し、7年連続で前期を上回った。

 同調査結果は↓
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20181129_01.html