女性社員の活躍・定着に取り組んでいる企業は41%

 エン・ジャパンが発表した「企業の女性活躍推進実態調査」結果(有効回答数415社)によると、女性社員の活躍・定着は、41%が「取り組んでいる」と回答した。前回2018年に実施した調査と比較し、11ポイント減少した。企業規模別でみると、「取り組んでいる」と回答したのは、従業員数301名以上は71%(2018年:66%)、従業員数300名以下は34%(同:49%)と、特に中小企業での取組みに課題があることが分かった。

 女性社員の活躍・定着に「取り組んでいる」と回答した企業の具体的な取組み(複数回答)は、2018年の調査と同様「出産・育児をサポートする福利厚生制度の充実」(72%)、「時短勤務・テレワークなどの勤務形態の多様化」(60%)、「管理職への積極登用」(50%)がトップ3。引き続き、育休へのサポートや復帰後の勤務形態の多様化に対応することで、女性社員の活躍・定着を後押しする考えの企業が多いようだ。

 女性社員の活躍・定着に対して課題と感じられること(複数回答)は、「社内に女性のロールモデルがいない(少ない)」(2021年43%、2018年19%)、「女性社員の意識」(同43%、37%)が上位となった。特にロールモデルの不在については、2018年の調査と比較して24ポイント増加し、課題ととらえる企業が増えたことがうかがえる。一方、2018年の調査で第1位だった「女性社員の目標設定」(同21%、45%)は大幅に減少した。

 直近1年間での女性管理職比率の変化については、14%が「増加した」と回答。企業規模別にみると、従業員数301名以上の企業では29%、従業員数300名以下の企業では10%だった。企業規模にかかわらず「変わらない」(全体:82%、301名以上:65%、300名以下:86%)が最も多く、女性管理職比率の引上げには課題が残ることが分かった。実際の管理職比率は、30%を超えた企業は10%にとどまった。

 実際の管理職比率が30%を超えた企業は、2018年の11%と比べ、著しい変化はなかった。ところで、従業員数301名以上の企業には、女性活躍推進に向けた行動計画の策定などが2016年から義務付けられたが、従業員数301名以上の企業で管理職比率が30%を超えたと回答したのは12%にとどまった。政府の掲げる「指導的地位に占める女性の割合を30%程度」に上昇させる目標の達成が難しい実態が明らかになっている。

 同調査結果は↓

https://corp.en-japan.com/newsrelease/2021/25593.html