最もなりたくない病気は「がん」よりも「認知症」

 認知症とは「生後いったん正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退・消失することで、日常生活・社会生活を営めない状態」を指す。MS&ADインターリスク総研が全国の20代から60代の男女1000人を対象に実施した「認知症に関する意識調査」結果によると、「最もなりたくない病気」として「認知症」を選んだ回答者は39.3%と、「がん」(36.8%)を選んだ回答者よりも多く、最も高い値となった。

 認知症のイメージ(複数選択)は、「身の回りのことができなくなり施設に入る」(60.8%)、「認知症の症状が進行すると何もできなくなる」(57.1%)、「暴言・暴力など周りの人に迷惑をかけるので今までと同じ生活ができない」(44.9%)などが上位に挙げられ、認知症を発症すると、現状の生活に比べて著しく不自由になるイメージの回答割合が高く、自宅での生活や、自立した生活ができるという回答割合は低い。

 認知症の予防(複数選択)については、「認知症のタイプにより予防できる」との回答が43.7%と最も多かったものの、「分からない」(29.3%)の回答と、「予防はできない」(10.8%)の回答の合計が40.1%だった。認知症予防の取組み状況(複数選択)では、「予防活動は何もしていない」の回答が54.9%と最も多く、次いで「自宅やオンラインで簡単にできる予防活動があったら取り組みたい」の回答は21.8%にとどまった。

 認知症の発症リスクを高める因子(複数選択)については、「うつ」の回答が37.8%と最も多かったが、「特にない」の回答が「運動不足」と並んで30.7%と2番目に多く、以下、「社会的孤立」(29.9%)、「アルコールの過剰摂取」(24.7%)などが続いた。また、オンラインによる認知症予防サービスとして利用意向が高かったもの(複数選択)は、「認知症予防トレーニング(脳トレーニング、ゲーム、クイズ等)」(47.8%)が最多だった。

 同調査結果は↓

https://www.irric.co.jp/topics/press/2021/0308.php