2月倒産442件となり、2000年以降3番目の低水準

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、2月の倒産件数は442件で、前月比は▲12.6%、前年同月比でも▲30.3%となり、7ヵ月連続で前年同月を下回り、2020年5月(288件)、2000年1月(354件)に次ぐ2000年以降3番目の低水準となった。業種別では、7業種中建設業や小売業など5業種で、地域別では全地域で二ケタ減となり、前年同月に比べそれぞれ減少した。

 一方、負債総額は777億4500万円(前月912億5800万円、前年同月663億7400万円)、前月比では▲14.8%減少も、前年同月比では17.1%増となって、依然低水準なものの、2000年以降最小だった前年同月の影響もあり、7ヵ月ぶりに前年同月を上回った。負債5000万円未満の小規模倒産が275件、構成比は62.2%を占めた。負債額最大の倒産は、(株)枻出版社(東京都、民事再生)の負債約57億8800万円だった。

 倒産件数を業種別にみると、7業種中5業種で前年同月を下回った。なかでも建設業(72件、前年同月比32.7%減)は2月としては過去最少、単月ベースでも2020年5月に次ぐ過去2番目の低水準。小売業(82件、同46.1%減)は8ヵ月連続で減少し、飲食料品小売(15件)は家庭内消費需要の増加などで引き続き減少傾向が続く。また、飲食店(28件、同56.3%減)は2020年後半にかけての高止まり傾向から一転、3ヵ月連続の減少となった。

 負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は275件(前年同月比▲31.9%)で、構成比は62.2%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満(個人事業主を含む)の合計が283件(同▲34.6%)で構成比は64.0%と高水準で推移した。負債5000万円未満の倒産では、サービス業(80件)が構成比29.1%を占め最多、小売業(63件)が同22.9%で続く。

 地域別にみると、全地域で前年同月比二ケタ減。2ヵ月連続での全地域減少は2000年以降初。東北(8件、前年同月比▲61.9%)は過去最少。関東(188件、同▲19.3%)は群馬や千葉、東京などで減少し、7ヵ月連続の減少。近畿(98件、同▲38.0%)は、2020年5月に次ぐ過去2番目の低水準。小売業(20件)などの減少が目立ち、全業種でも二ケタ減。九州(29件、同▲44.2%)は8ヵ月連続で減少し、2018年2月と並び過去最少となった。

 同倒産状況の概要は↓https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/2102.html