2度目の緊急事態宣言を受け、人との接触削減に注力

帝国データバンクが発表した「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」結果(有効回答数1万1441社)によると、新型コロナ感染症による自社の業績への影響は、「(既に+今後)マイナスの影響」を見込む企業は78.8%(前月比1.1ポイント減)と、4ヵ月連続で8割を下回った。このうち、「今後マイナスの影響」を見込む企業は13.0%(同2.3ポイント増)となり、先行きに対する警戒感がやや強まっている様子がうかがえた。

他方、「(既に+今後)プラスの影響がある」は4.3%(同0.1ポイント増)で、前月とほぼ同水準となった。業種別にみると、「マイナスの影響がある」と見込む企業は、「旅館・ホテル」が100.0%となり、次いで、「飲食店」(95.4%)、「家具類小売」(93.8%)、「娯楽サービス」(92.2%)が続いた。観光支援の各種施策の一時停止や、緊急事態宣言による休業・営業時間短縮により、外出自粛の影響が色濃い業種が上位に並んだ。

2度目の緊急事態宣言を受け、何らかの「対応を講じている」企業は89.9%と9割近くに達した。対応内容は、「都道府県をまたぐ出張や打ち合わせの削減」(55.6%)がトップ。次いで、「対面営業や打ち合わせの削減」(51.8%)と「従業員に不要不急の外出自粛などの呼びかけ」(51.7%)が5割を超え、さらに「非接触の会議や打ち合わせの推奨」(41.2%)など、特に、人と人との接触を削減する取組みに注力している様子がみられた。

緊急事態宣言の対象地域と対象外地域をみると、対象地域の11都府県では、「対面営業や打ち合わせの削減」を5割超の企業が実施している。加えて、「在宅勤務の拡大」や「時差勤務やシフト勤務などの拡大」、「残業時間の削減」などが対象外地域と比較し高い結果となった。特に、在宅勤務の拡大など勤務体系に関する対応は4割を超える企業で取り組んでいる一方で、対象外地域では1割程度にとどまっていた。

また、対象外地域では、「県外出張の自粛及び止むを得ない出張後には1週間のテレワークとしている」(印刷、秋田県)とあるように「都道府県をまたぐ出張や打ち合わせの削減」が6割超になるなど、対象地域より広域な移動や人との接触を削減する取組みを積極的に実施している様子がうかがえた。

 同調査結果は↓

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p210203.pdf