「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1000万円未満を含む)が2月2日、全国で累計1000件(倒産929件、弁護士一任・準備中71件)に達したことが、東京商工リサーチの集計で判明した。月別推移をみると、2020年6月に初めて100件を超え、7月、8月は前月を下回ったものの、9月には再び100件を超え、以降12月まで4ヵ月連続で100件を上回った。
2021年1月は5ヵ月ぶりに100件を下回ったが、97件と引き続き高水準で推移し、コロナ関連破たんは2020年2月に第1号が発生して以来、1年間で1000件に膨らんだ。この間、コロナ禍の直撃を受けた飲食業、アパレル関連業や建設業、宿泊業などを中心に幅広い業種で影響が波及。売上消失で業績が悪化し、給付や助成金、貸付やコロナ特例リスケなどの各種支援を受けながらも、経営を維持できない息切れ型の破たんのケースもみられた。
2021年1月8日、再発令された緊急事態宣言は、2月2日に10都府県の1ヵ月延長が決定された。対象地域では飲食店の時短営業が続き、関連業界への影響も懸念される。感染防止のための難しい舵取りが続くなか、長引くコロナ禍で企業の経営体力は疲弊している。雇用調整助成金の延長などで経営支援策は継続されるが、収束が長引くほど小・零細企業を中心にコロナ関連破たんは増加する可能性が高まっている。
都道府県別では、「東京都」が247件に達し、全体の4分の1(構成比24.7%)を占め、突出。以下、「大阪府」94件、「神奈川県」55件、「愛知県」と「兵庫県」がそれぞれ46件で続く。都道府県別では30件以上が9都道府県、20~30件未満が3県、10~20件未満が16府県。一方、全国で唯一、「山梨県」は1件にとどまるほか「鳥取県」が2件、「秋田県」、「和歌山県」、「徳島県」、「鹿児島県」が各3件で、5件未満にとどまるのは9県だった。
「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した929件の形態別では、「破産」が825件(構成比88.8%)で最多。次いで「取引停止処分」が50件(同5.3%)、「民事再生法」が48件(同5.1%)、「特別清算」5件、「会社更生法」が1件と続く。約9割を消滅型の破産が占め、再建型の会社更生法と民事再生法はそれぞれ1割未満にとどまる。先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しい現状が浮き彫りとなっている。
同調査結果は↓