労働政策研究・研修機構が発表した「病気の治療と仕事の両立に関する実態調査(WEB患者調査)」結果(有効回答数7694人)によると、過去5年間の病気治療(経過観察を含む)において、雇用者の疾患罹患時に在籍した会社で治療していた主な疾患は、「糖尿病」が34.3%で最も多く、次いで、「がん」(19.8%)、「難病」(17.6%)、「心疾患」(15.9%)、「脳血管疾患」(6.3%)、「肝炎」(6.0%)となっている。
罹患した疾患の通院頻度(疾患罹患後から1年間の間での平均)は、いずれの疾患も、「月1回程度」の割合がもっとも高く、次いで、「3ヵ月に1回程度」の割合も高い。勤め先への相談・報告(複数回答)は、全体で、「所属長・上司」が63.2%で最も多く、次いで、「同僚」が29.4%、「人事労務担当者」が12.4%、「産業医」が12.2%などとなっている。「勤め先には一切相談・報告しなかった」は26.9%だった。
治療・療養のために連続2週間以上の休み(休職期間)の取得状況では、「取得した」が30.9%と3割にとどまり、「取得していない」が51.9%、「そもそも休職制度がない・適用されない」が17.2%。取得した休職期間は、「1ヵ月程度」が31.5%と最も多く、次いで、「2週間程度」が26.3%、「2ヵ月程度」が13.6%、「3ヵ月程度」が9.4%などとなっている。「3ヵ月以下」の合計は80.8%とほぼ8割だった。
疾患罹患後、疾患を罹患した際の勤め先の退職状況では、「現在も同じ勤め先で勤務を続けている」(78.3%)とする人が約8割を占める(「現在も同じ勤め先で休職中」は1.0%)。一方、退職関係の回答についてみると、「依願退職した」(14.7%)、「会社側からの退職勧奨により退職した」(3.6%)、「解雇された」(1.7%)、「休職期間満了により退職した」(0.7%)となっている。
退職した人の合計は20.7%だが、その退職理由(複数回答)では、疾患に関連する退職理由として、「仕事を続ける自信がなくなった」(23.3%)が最も多く、次いで、「会社や同僚、仕事関係の人々に迷惑をかけると思った」(15.7%)、「治療・療養に専念するため」(14.6%)、「治療や静養に必要な休みをとることが難しかった」(12.9%)、「残業が多い職場だったから」(10.7%)などが続いた。
同調査結果は↓
http://www.jil.go.jp/institute/research/2018/180.html