2017年の労働争議、過去最少の358件、8年連続減少

 厚生労働省が公表した「2017年の労働争議統計調査」結果によると、同年の労働争議は、「総争議」の件数は前年より33件(8.4%)減の358件、総参加人員は同6万2724人(90.2%)増の13万2257人となった。「総争議」の件数は8年連続の減少となり、比較可能な1957年以降、最も少なかった。「総争議」のうち、「争議行為を伴う争議」の件数は同2件(3.0%)増の68件、行為参加人員は同1779人(38.6%)増の1万7612人だった。

 2017年の「争議行為を伴う争議」を行為形態別にみると、「半日以上の同盟罷業」の件数は38件、行為参加人員は7953人、労働損失日数は1万4741日となり、前年に比べ、件数は7件(22.6%)増、行為参加人員は5570人(233.7%)増、労働損失日数は1万1551日(362.1%)増。「半日未満の同盟罷業」の件数は46件、行為参加人員は9917人となり、前年に比べ、件数は1件(2.1%)減、行為参加人員は3781人(27.6%)減となった。

 2017年の「争議行為を伴う争議」を産業別にみると、件数は、「運輸業、郵便業」の19件が最も多く、次いで「製造業」16件、「医療, 福祉」14件。行為参加人員は、「医療、福祉」の7691人が最も多く、次いで「運輸業、郵便業」6464人、「製造業」1884人。労働損失日数は、「運輸業、郵便業」の1万2787日が最も多く、次いで「医療、福祉」827日、「製造業」804日だった。

 2017年の「総争議」の件数を要求事項別(複数回答、主要要求事項を2つまで集計)にみると、「賃金」に関する事項が181件(総争議件数の50.6%)と全体のほぼ半数を占めて最も多く、次いで、「経営・雇用・人事」に関する事項が122件(同34.1%)、「組合保障及び労働協約」に関する事項が117件(同32.7%)、所定外・休日労働や休日・休暇など「賃金以外の労働条件」に関する事項が46件(同12.8%)だった。

 2017年の「総争議」358件のうち、同年中に「解決又は解決扱い」になった件数は298件(総争議件数の83.2%)、「翌年への繰越」は60件(同16.8%)。解決方法をみると、「労使直接交渉による解決」が42件(解決又は解決扱い件数の14.1%)、「第三者関与による解決」101件(同33.9%)、「その他(解決扱い)」155件(同52.0%)。なお、「第三者関与による解決」では、労働委員会関与の「あっせん」が98件(同32.9%)で最多だった。

同統計調査の概況は↓
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/14-29-08.pdf