帝国データバンクがこのほど発表した「全国メインバンク動向調査」結果によると、2020年の全国メインバンク社数トップは「三菱UFJ銀行」となった。企業数は9万8120社となり、2009年の調査開始以降12年連続のトップ。しかし、社数は減少が続いているほか、全国シェアも6.74%と前年から0.06ポイント減少。11年連続のシェア縮小となり、減少幅は全金融機関で最大となっている。
2位は「三井住友銀行」の7万8639社(シェア5.41%)。前年からシェアの変動はなかったものの、社数では約700社減少しており、これは集計開始以降で最大。3位以下はそれぞれ「みずほ銀行」(6万3208社、シェア4.34%)、「りそな銀行」(3万356社、シェア2.09%)となり、上位4行はいずれも3メガなど都市銀行。このうち、りそな銀行は9位の「埼玉りそな銀行」(1万7373社)と同様に全国シェアを拡大している。
上位60位の金融機関のうち、シェアが拡大したのは15行、縮小したのは12行。このうち、「福岡銀行」(2万1647社)はシェアを0.02ポイント拡大させ、合併等によるシェア拡大を除けば増加幅が全金融機関の中で最大となる。このほか、親和銀行と十八銀行(ともに長崎県)が経営統合して発足した「十八親和銀行」のメイン社数は1万4095社(シェア0.97%)で、全国18位に入った。
業態別にみると、シェアが最も高いのは「地方銀行」の40.10%で、全業態のなかでは唯一2年連続で4割を超えた。前年比では0.03ポイント増加し、11年連続でシェアが拡大したものの、増加幅は直近5年間で最小だった。九州地方を地盤とする福岡銀行のシェア拡大が続いた影響もあり、総じて地方銀行全体でシェアを拡大させた。「信用金庫」(シェア23.30%)も2年連続でシェアが拡大した。
このほか、実店舗を持たずインターネットバンキングなどオンラインでの金融事業を主力事業とする「ネット銀行(新形態の銀行)」のシェアは0.13%(前年比+0.02ポイント)となり、調査当初の2009年(シェア0.01%)から10倍超に拡大した。県単位で拠点の集約化が続く「農協」(シェア1.22%)も09年から0.40ポイントの増加となり、地方銀行に次いでシェアの拡大幅は大きい。
他方、全国で3メガを含む「都市銀行」のシェアは19.78%で、前年を0.04ポイント下回り過去最低を更新。「第二地方銀行」(シェア9.96%)は2年連続で1割を下回ったものの、4年ぶりに前年から縮小しなかった。「信用組合」(シェア2.47%)は2年ぶりのシェア縮小となった。
同調査結果は↓