社長が選ぶ今年の社長、トップは「豊田章男氏」

 産業能率大学総合研究所が、従業員数が6人以上の企業経営者(経営トップ)を対象に今年(2020年)の最優秀経営者は誰かを尋ね、その結果を「社長が選ぶ今年の社長」としてまとめた。それによると、2020年の「今年の社長」第1位には、「豊田章男氏(トヨタ自動車)」が5年ぶりに選ばれた。豊田氏は、2015年に第1位になって以来、昨年まで4年連続で2位だった。1位になるのは通算で2回目となる。

「豊田章男氏」は、コロナ禍において業績の上方修正を発表したことが大きなインパクトを与えるとともに、未来志向の経営理念が高く評価された。また、テレビCMなどで自らが前面に出て語り掛ける姿勢が共感を呼んでいる。アンケート回答者の年齢を「40代以下(112人)」、「50代(210人)」、「60代以上(233人)」に分けて集計したところ、豊田氏は全年代でトップの支持を得ている。

今回、初めてトップ10入りしたのは、8位の「古川俊太郎氏(任天堂)」と10位の「星野佳路氏(星野リゾート)」の2人。古川氏は、企業としては2017年の君島達己氏以来2回目のトップ10入り、星野氏は、企業としても初のトップ10入りとなった。選出理由として、古川氏は家庭用ゲーム機の販売が好調なこととゲームソフトにヒット作が出ていることなど、星野氏はコロナ禍による厳しい環境の中での経営手腕が挙げられている。

2016年と2018年にトップ10入りした「似鳥昭雄氏(ニトリホールディングス)」が2年ぶりにトップ10入り。過去2回の順位はいずれも10位だったが、今回は5位と大きくアップした。選出理由として、直近の企業買収施策を評価する声が多数寄せられた。「孫正義氏(ソフトバンクグループ)」(2位)は、調査開始(2008年)からの連続トップ10入りの記録を更新昨年まで4年連続で1位だった。

「孫正義氏」は前人未到の5連覇は成らなかったが、2008年の調査開始以降、ただ一人連続でトップ10入り(しかもすべて3位以内)の記録は途切れることなく更新された。ちなみに豊田氏も、2009年の社長就任以降、連続してトップ10入りしている。また、トヨタ自動車としては、2008年に渡辺捷昭氏が6位にランクインしており、調査開始以来の連続トップ10入りの記録を更新中だ。

 同調査結果は↓https://www.sanno.ac.jp/admin/research/f0krqt0000000lyu-att/president2020.pdf