2020年の全国「社長の住む街」トップは、前回調査の2017年に続いて東京都「港区赤坂」の3545人だったことが、東京商工リサーチが全国約390万社を対象に実施した「社長の住む街調査」結果で分かった。赤坂のある「港区」の社長比率は13.1%(前回10.0%)で、住人の10人に1人が社長さん。都市型の商業施設を抱え、著名な飲食店も多数ある高級繁華街で、大使館も点在し、大使館員や外資系企業の駐在員も多く住む人気の街だ。
2位は、東京都「新宿区西新宿」の2878人。新宿駅の西側一帯の地域で、都庁をはじめ高層ビルがそびえ立ち、百貨店や家電量販店などの大型商業施設も隣接し賑わっている。3位は、東京都「港区六本木」の2784人。トップの赤坂と隣接し、外国人にも人気の街。前回の調査から上位6位は変動がなかった。トップ3は、ビジネス(オフィス)、繁華街、高級住宅街など、あらゆる顔を併せ持つ利便性の高い街が選ばれ続けている。
10位以内では、「港区芝浦」が2370人で、前回13位から7位に急上昇。かつて工場も多く、ディスコに若者が集う街でも知られたが、再開発で大きく変貌を遂げた。いまは東京湾の夜景を望めるタワーマンションやオフィスビルが建ち並び、社長の支持を集めている。11位以下では、オリンピックで整備も進んだ「江東区豊洲」(前回27位→13位)、銀座から近く開発が続く「中央区勝どき」(同22位→14位)がランクアップした。
東京都以外では、神奈川県の「三浦郡葉山町」が57位。三浦半島に位置する葉山は別荘地として知られ、ヨットやボート、ダイビングやサーフィンなどのマリンスポーツのほか、ゴルフなどを楽しめる保養地でもある。77位の大阪府「大阪市西区南堀江」は、オフィス街に隣接しながら、おしゃれなショップも並び、若者に人気の街だ。2000年代後半から2010年代にかけてタワーマンションの建設や商業施設の開発が進んだ。
人口に占める社長数を表す「社長比率」の都道府県庁の所在地別では、企業数が圧倒的に多い東京23区が4.7%でトップ。とりわけ、東京都「港区」が13.1%、「渋谷区」が11.0%、「千代田区」が10.9%と、この3区は人口の1割が社長という結果に。2位は大阪市の3.3%。東京23区を除く市区郡で、唯一3.0%を超えた。大阪市でも「中央区」が7.6%、「西区」が5.7%など、東京23区と同様にオフィス街や商業地に隣接した地区での比率が高かった。
「社長の住む街調査」結果は↓
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20201130_02.html