1社当たりの教育研修費用総額は、2019年度は予算額7737万円(前回調査7115万円)、同実績額6599万円(同6221万円)であり、2020年度は予算額7370万円(同7086万円)だったことが、産労総合研究所がこのほど発表した「2020年度教育研修費用の実態調査」結果(有効回答数151社)で分かった。回答企業が毎回異なるため、前回調査と厳密な比較はできないが、2018年度の前回調査と比べ、いずれも前年度より増加している。
従業員1人当たりの教育研修費用は、2019年度の予算額4万636円(前回調査4万297円)、同実績額3万5628円(同3万4607円)、2020年度予算額3万9860円(同3万9841円)で、予算、実績とも前回調査を若干上回った。2019年度実績額を規模別にみると、大企業(1000人以上)3万1397円(同3万1770円)、中堅企業(300~999人)4万1278円(同3万7116円)、中小企業(299人以下)4万588円(同3万8250円)となった。
各回答企業の2019年度と2020年度予算を比較してみると、予算額が「増加」が41.9%(前回調査39.1%)、「減少」が45.7%(同40.4%)、「増減なし」は12.4%(20.5%)と、2年連続で「減少」企業が「増加」企業を上回った。教育研修費用総額の今後1~3年の見通しについては、「かなり増加」が4.0%、「やや増加」が24.8%に対し、「現状維持」が45.0%、「やや減少」16.8%、「かなり減少」9.4%となっている。
これを「増加計」(「かなり増加」+「やや増加」)、「減少計」(「かなり減少」+「やや減少」)、「現状維持」の3項目にまとめたうえで前回調査を比較すると、「増加計」が28.8%(前回調査45.1%)、「減少計」が26.2%(同7.6%)、「現状維持」が45.0%(同47.3%)となり、現在のコロナ禍の状況下で、研修費用を減らす方向で見通しを立てる企業が増えていることが分かる。
今回の調査では、管理職研修の実施状況についても調査しており、同様のテーマで実施した「2007年度調査」と比較してみると、(1)係長研修を実施している企業は、65.9%(2007年度調査68.4%)、(2)課長研修は他の役職に比べて実施率が高く、85.4%(同89.5%)で、(3)部長研修の実施率は52.8%(同66.2%)と、3つの役職のなかで最も低く、大企業でも59.2%と6割を切っている。
同調査結果は↓