1~9月の新規上場企業は59社、前年同期比2社増

 EY新日本有限責任監査法人が発表した日本の新規上場動向によると、2020年1月~9月の国内株式市場は、年明け日経平均株価終値2万3204円でスタートし、コロナ感染対策の影響を受け3月中旬には1万7000円台に落ち込むものの、徐々に回復し9月末には2万3185円となり前年同日と比較しても高い株価となった。そのような市場環境のなか、新規上場企業数は59社(TOKYO PRO Marketを含む)となった。

前年同期(2019年1月~9月)と比較した場合、2社増となっている。市場別にみると、全体の62.7%にあたる37社が「マザーズ」に上場しており、新興市場合計で全体の86.4%を占めている。業種別では、「情報・通信業」が20社(33.9%)、「サービス業」が18社(30.5%)であり、他の業種社数と開きが見られる。次いで多いのは「建設業」の4社(6.8%)、「卸売業」3社(5.1%)となっている。

本社所在地別では、全体の71.2%にあたる42社の本店所在地が「東京都」であり、依然として東京都が中心。次いで、大きく離れて「大阪府」が9社、「神奈川県」が3社で続いている。東京都以外に本店所在地がある場合でも上場市場は東証に集中している。赤字上場(直前期の当期純利益が赤字で上場した会社)数はマザーズ上場した5社、TOKYO PRO Market1社だった。

直前期の売上高の分布をみると、「10億円未満」の企業が10社(17%)、「10億円以上50億円未満」の企業が28社(47%)と、全体の3分の2弱を売上高50億円未満の比較的小規模な企業が占める。売上高が500億円を超える新規上場企業は東証1部上場の「(株)雪国まいたけ」の1社。初値時価総額の分布では、「50億円未満」の企業13社(22%)、「50億円以上100億円未満」の企業が15社(25%)と、全体の2分の1弱を占める。

また、TOKYO PRO Marketを除いた新規上場企業においては、公募割(初値が公開価格を下回る)企業が、54社中19社となっている。なお、監査法人別では、59社中36社が大手監査法人だった。2017年1月~2020年9月までを通算すると「EY新日本有限責任監査法人」90社(25.8%)、「有限責任監査法人トーマツ」77社(22.1%)、「有限責任あずさ監査法人」77社(22.1%)となっている。

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