消防庁がこのほど公表した2020年8月の熱中症による救急搬送状況によると、今年8月の全国における熱中症による救急搬送人員は4万3060人だった。これは、昨年8月の救急搬送人員3万6755人と比べると17.2%(6305人)多くなっている。都道府県別にみると、「東京都」が4359人で最も多く、次いで、「大阪府」3307人、「埼玉県」2832人、「愛知県」2784人、「神奈川県」2449人など都市部を抱える都府県での発生が目立つ。
年齢区分別の救急搬送人員をみると、「高齢者」(満65歳以上)が最も多く2万4927 人(57.9%)、次いで、「成人」(満18歳以上満65歳未満)1万4790 人(34.3%)、「少年」(満7歳以上満18歳未満)3149人(7.3%)、「乳幼児」(生後28日以上満7歳未満)192 人(0.4%)の順となっている。前年同期と比べると、「高齢者」が26.3%増、「成人」が11.7%増と増加したが、「少年」は▲9.9%減少した。
医療機関での初診時における傷病程度別の救急搬送人員は、「軽症(外来診療)」が最も多く2万5477人(59.2%)、次いで、「中等症(入院診療)」1万6022人(37.2%)、「重症(長期入院)」1337人(3.1%)の順。また、発生場所別の救急搬送人員は、「住居」が最も多く1万9322人(44.9%)、次いで、「道路」7593人(17.6%)、「仕事場(道路工事現場、工場等)」4594人(10.7%)、「公衆(屋外)」4125 人(9.6%)の順となっている。
都道府県別人口10万人当たりの救急搬送人員は、「鹿児島県」が最も多く47.20人、次いで、「三重県」45.98人、「鳥取県」44.47人、「群馬県」43.74人、「和歌山県」43.48人の順。反対に最も少ないのは「北海道」の11.78人、次いで「沖縄県」14.58人、「青森県」19.34人などとなっている。ちなみに、救急搬送人員がトップだった「東京都」は32.25人で、全国平均の33.88人よりやや少なかった。
消防庁は、今年は従前からの予防に加え、新型コロナウイルス感染症に留意した対応が必要であり、「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントとして、屋外で人と2m以上離れている時はマスクをはずす、涼しい服装、日傘や帽子で暑さを避ける、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給をする、部屋の温度に注意し、エアコンや扇風機を上手に使い、また、こまめに換気をする、などに心がけることを呼びかけている。
この件は↓
https://www.fdma.go.jp/pressrelease/houdou/items/neccyuusyou8gatu.pdf