帝国データバンクがこのほど発表した焼酎メーカー売上高ランキングによると、全国焼酎メーカーの2019年(1月期~12月期)の売上高ランキングは、8年連続で霧島酒造(宮崎県都城市)がトップとなった。「黒霧島」を主体に、「白霧島」、2018年10 月から通年販売になった「赤霧島」などを展開している。しかし、ハイボール缶などのRTD飲料の台頭により前年比6.0%減となった。
2位は8年連続で三和酒類(大分県宇佐市)。“下町のナポレオン”の愛称で知られる「いいちこ」シリーズを主体に、地元大分県産の麦を使用した「西の星」ブランドを展開。関東・関西などの大都市圏をはじめ、世界各国・地域に販路を構築。3位には、オエノンホールディングスの焼酎事業である「オノエングループ」が入った。トップ10の顔ぶれは前年と変わらないが、調査開始以来、初めて上位10社全てが減収となった。
2019年の上位50社の売上高合計は、前年比4.6%減の2621億3400万円と、3年連続で減少。ピーク時の2008年から15.2%減少し、2005年以降の最少となった。全体としては、消費者の嗜好の変化によりウイスキーやワイン、リキュール類との競合が続いていることに加え、若者をはじめとする酒離れの影響で苦戦が続いている。売上動向をみると、「増収」企業が8社(前年18社)に対し、「減収」が37社(同28社)にのぼった。
税引き後当期純利益が判明した39社のうち、「赤字」企業は9社、構成比は23.1%にのぼった。この9社のうち、2年連続減収となった企業が5社を占めている。主力の原材料となる芋の価格が下落したものの、売上高が伸び悩むなか、減収分を吸収できなかった点が共通項として浮上。また、運送費や製造委託経費の上昇のほか設備投資を行ったことによる減価償却費の負担、広告宣伝費の増加などが赤字計上の理由として挙げられた。
売上高上位50社を本社所在地別にみると、「鹿児島県」が前年より1社増え22社で最多。「宮崎県」が5社、「大分県」と「沖縄県」が各4社で続いた。他方、都道府県別の売上高合計は、ランキングトップの霧島酒造を含む「宮崎県」が855億3900万円で最多だったが、5社中4社が減収で前年比5.4%減となった。「鹿児島県」は22社中18社が減収で同5.1%減の702億4100万円だった。
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