帝国データバンクが全国の企業を対象に7月後半に実施した「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」結果(有効回答数1万1732社)によると、新型コロナウイルス感染症による自社の業績への影響は、「マイナスの影響がある」(「既にマイナスの影響がある」と「今後マイナスの影響がある」の合計)と見込む企業は82.7%となった。6月から1.8ポイント減となり、3ヵ月連続で減少した。
内訳をみると、「既にマイナスの影響がある」が68.4%となり、既に7割近くの企業で業績へマイナスの影響を実感している。また、「今後マイナスの影響がある」(14.3%)は2ヵ月連続で1割台となり、7月調査時点では、徐々に先行きに対する不安が薄らいでいる様子がうかがえた。他方、「影響はない」とする企業は10.2%だったほか、「(既に+今後)プラスの影響がある」と見込む企業は3.1%となり、毎月微増が続いている。
「マイナスの影響」を見込む企業を業界別にみると、「運輸・倉庫」が87.5%でトップ。以下、「製造」(85.7%)、「不動産」(85.0%)、「卸売」(84.5%)が続いた。業種別にみると、「旅館・ホテル」(97.0%)、「娯楽サービス」(96.8%)、「繊維・繊維製品・服飾品卸売」(94.1%)、「広告関連」(93.5%)、「出版・印刷」(93.3%)の順。一方、「プラスの影響」を見込む企業は、「小売」が9.1%で最も高く、うち6.4%は既に業績へプラスの影響が表れている。
2020年7月の売上見込み及び同年4月~6月各月の売上について、前年同月を100 とした7月の売上見込みは、前年同月比で平均85.4%となった。減少を見込む企業は約3社に2社となり、特に前年同月比で80~99%(1~20%減)とみる企業が3割超で集中していた。また、前年同月比で50%を下回ると見込む企業は7.2%となった。他方、増加を見込む企業は1割程度となり、横ばいは17.4%だった。
4月から6月における前年同月比の平均をみると、4月は86.7%、5月は82.1%、6月は87.1%となった。7月の見込みを含め直近4ヵ月間では緊急事態宣言下の5月が最も減収となった。とりわけ、売上の減少幅が大きい「旅館・ホテル」と「娯楽サービス」、「飲食店」の3業種について4月から7月までの推移をみると、「旅館・ホテル」では4月、5月の売上は前年同月比で50%を下回るとする企業が8割を超えていた。
同調査結果は↓