大同生命保険がこのほど発表した「中小企業の在宅勤務(テレワーク)実施状況調査」結果(有効回答数1万7267社)によると、テレワークの実施状況は、「業種等が適さないため実施不可」が全体の72%と最も多く、業種別でみると、「宿泊・飲食サービス業」(91%)、「医療・福祉業」(87%)が多くなった。一方、「実施又は実施予定」は18%となり、業種別でみると、「情報通信業」(74%)が最も多くなった。
テレワークの従業員利用割合は、「従業員の3割以下」が53%と最も多く、在宅勤務実施率が低い業種で利用割合が低くなる相関関係がみられた。利用割合を業種別でみると、「不動産・物品賃貸業」では「従業員の8割以上」が57%と最も多く、従業員規模でみると、「5人以下」の48%から「21人以上」の6%まで小さいほど、また、創業年数では、「10年未満」の49%から「50年以上」の11%まで短いほど、「8割以上」が多くなった。
テレワークの開始時期は、「緊急事態宣言の発令を機に開始」が64%と最多で、新型コロナ感染拡大により、テレワークが進んだことがうかがえる。創業年数別でみると、「10年未満」の53%から「50年以上」の74%まで創業年数が長いほど「緊急事態宣言の発令を機に開始」が多く、一方で、創業年数が10年未満では、「緊急事態宣言の発令前から実施」が48%と緊急事態宣言の発令前からテレワークに取り組んでいたことがうかがえる。
テレワークを実施しない理由(複数回答)は、「取引先との対応に支障があるため」が42%と最も多く、次いで「設備、通信環境整備のためのコスト負担が困難」(24%)が続いた。テレワークの実施状況別でみると、「実施又は実施予定」では「取引先との対応に支障があるため」が44%と最も多くなった。「その他」(30%)の理由では、「工場部門などの現場の作業はテレワークできない」とのコメントが多くみられた。
実施しない理由を業種別でみると、「取引先との対応に支障があるため」は「卸売業」(52%)や「情報通信業」(55%)などが多く、企業間取引(BtoB)が要因になっていることがうかがえる。一方、「設備、通信環境整備のためのコスト負担が困難」は「宿泊・飲食サービス業」(38%)や「教育・学習支援業」(30%)など、顧客が来訪しなければサービスが成立しない企業対消費者取引(BtoC)企業が多い傾向となった。
同調査結果は↓
https://www.daido-life.co.jp/company/news/2020/pdf/200617_news.pdf