帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、4月の倒産件数は758件で、前月比は18.8%増加、前年同月比でも16.4%の増加となり、8ヵ月連続で前年同月を上回った。業種別では、7業種中、小売業や建設業、サービス業など6業種で、また、地域別では、9地域中、北陸や近畿などの8地域で、前年同月に比べそれぞれ増加した。
一方、負債総額は1614億6700万円(前月890億1900万円、前年同月1046億6400万円)となり、前月比では81.4%の大幅増加、前年同月比でも54.3%の増加となって、2ヵ月連続で前年同月を上回った。これは、新型コロナウイルス感染拡大の影響などで負債数億~数十億円規模の倒産が相次いだことが要因。負債トップは、WBFホテル&リゾーツ(株)(大阪府、民事再生)の約160億円。
倒産件数を業種別にみると、7業種中6業種で前年同月を上回った。なかでも小売業(190件、前年同月比27.5%増)は、消費税率引上げや新型コロナウイルス感染拡大などにともなう売上減少の影響で5ヵ月連続増、比較可能な2000年以降で4月としては最多を更新。建設業(124件、同10.7%増)は8ヵ月連続増。サービス業(183件、同10.2%増)では、宿泊業(25件)が過去最多となり、件数全体を押し上げた。
負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は441件(前年同月比15.4%増)で、構成比は58.2%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満(個人事業主を含む)の合計が500件(同16.0%増)で構成比は66.0%と高水準で推移した。負債5000万円未満の倒産では、小売業(134件)が構成比30.4%を占め最多、サービス業(115件)が同26.1%で続く。
地域別にみると、9地域中8地域で前年同月を下回った。北陸(35件)は、建設業や卸売業などで増加し前年同月比75.0%増、3ヵ月連続の増加。近畿(194件、前年同月比17.6%増)は、大阪は微減も、滋賀や兵庫など5府県で増加。業種別も4業種で増加し、なかでも小売業は消費税率引上げなどの影響を受け8ヵ月連続の増加。一方、関東(235件、同2.5%減)は、唯一前年同月を下回り、11ヵ月ぶりの減少となった。
同倒産状況の概要は↓