約8割の中小企業が業績悪化を発生または発生見込み

 中小企業基盤整備機構がこのほど発表した「新型コロナウイルス感染症の中小・小規模企業影響調査」結果(有効回答数2000社)によると、中小企業の業績は、前年同月比(4月)との比較では「大幅なマイナス影響が発生している」(41.1%)が最も多くなった。また将来も含めマイナス業績が発生するとした割合の合計は79.2%と約8割にものぼり、一方で「プラス影響が発生・発生見込み」とした企業は僅か5.4%にとどまった。 

 また、マイナス影響が発生した要因としては、「国内営業・販売に支障」(25.7%)が最多、次いで「国内外出・移動制限」(17.0%)、「国内物流・生産に支障」(13.8%)となり、海外からの影響よりも、国内の経済活動の停滞がマイナス影響の主な要因となっている。業種別の業績影響では、特に「宿泊・飲食業」の落ち込みが大きく、「宿泊・飲食業」は外出・移動制限の影響を特に受けやすいため、このような結果になったものとみられる。 

 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う現在と今後の事業活動対策(複数回答)としては、「対策していない・対策が分からない」が両者とも約33%と最多、次いで「公的支援施策の活用・情報収集」(現在25.4%、今後25.5%)、「金融機関等からの資金調達」(同22.7%、22.55)となった。これらは現在と今後の予定の回答割合が共に高いため、引き続き重点的に取り組まれるものと予測される。 

 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う現在の労務管理対策(複数回答)としては、「備品(マスク・除菌スプレー)配布・設置」が49.7%と最多、次いで「テレワーク(在宅勤務)」(29.9%)、「出退勤時間の見直し」(29.0%)。今後の労務管理対策(同)では、「対策していない・対策が分からない」とする回答が36.9%と最も多く、ほぼ全ての選択肢で、現在のものよりも小さく、今後の新たな対策に対しては手詰まり感が増してきている。 

 回答者の勤務先において求められている支援(複数回答)としては、「休業・事業損失への補償金」(33.3%)、「無利子・低利子融資」(33.0%)など、資金補助に関するニーズが多い。一方で「起業・創業支援」(1.7%)、「海外販路開拓支援」(2.6%)、「窓口・オンライン上の個別相談」(3.2%)に対する支援ニーズは少なく、現在の状況下では事業存続自体を最優先とし、当座の資金援助を求める傾向が強いことがうかがえる。 

 同調査結果は↓ 

https://www.smrj.go.jp/research_case/research/questionnaire/favgos000000kkyq.html