新型コロナウイルスが大型連休の消費意欲を直撃

 博報堂の生活総研が、首都・名古屋・阪神在住の20~69歳の男女の消費者1500名を対象に実施した「来月の消費予報」によると、5月の消費意欲指数は42.5点で、前月比は-2.8ポイント低下、前年比でも-5.0ポイント低下した。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスがある人の割合は、全体では前月比-0.7ポイント、前年比-3.6ポイントの22.5%となった。

 消費意欲指数は、調査パネルの一般生活者1500名に対し、「消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(5月)の消費意欲は何点ぐらいか」と質問したもの。5月は例年、大型連休のため消費意欲が高まる月だが、今年は前月比-2.8ポイント・前年比-5.0ポイントと低下。5月としては調査開始以来の最低値となった。

  消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、例年多数挙がる「ゴールデンウィークがあるから買い物をしたい、出かけたい」(19年5月150件→20年5月16件)や「服が欲しい」(19年5月50件→20年5月21件)といった季節消費関連の意見が大幅に減少。一方、新型コロナウイルスに関連する、消費にネガティブな意見は前月の倍以上に増加している(20年4月251件→20年5月560件)。

 特に「感染の不安や自粛のため外出・買い物できない」(20年4月111件→20年5月219件)などの意見が増加。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスの前年比をみても、「飲料(家飲みのアルコールなど)」(+22件)や「日用品 (トイレットペーパー、マスクなど)」(+16件)はプラスとなる一方、「旅行」(-88件)、「レジャー」(-64件)、「外食」(-52件)は大幅に減少。外出に関わる消費は大きく落ち込みそうだ。

 4月の消費予報では、新型コロナウイルスの影響は、女性やファミリー層が中心だった。しかし5月は、男性・女性ともに前年から大きくマイナスとなっている(男性:前年比-4.1ポイント、女性:前年比-5.9ポイント)。また、年代別でも全層で低下しており、特に30代以上の前年比の落込みが30代-4.3ポイント、40代、50代はともに-6.6ポイントと顕著となっている。

同調査結果は↓

https://seikatsusoken.jp/wp/wp-content/uploads/2020/04/202005.pdf