東京商工リサーチが発表した「新型コロナウイルス」関連倒産状況によると、4月28日、「新型コロナ」関連の経営破たんが新たに5件発生、経営破たんは全国で累計105件(倒産73件、弁護士一任・準備中32件)に達した。都道府県別は、31都道府県に広がり、最多は「東京都」の25件(倒産22件、準備中3件)で、唯一、20件を突破。次いで、「北海道」11件(同10件、同1件)、「静岡県」と「大阪府」が各7件と続く。
業種別では、インバウンド消失と外出自粛の浸透で「宿泊業」が22件と突出。次いで、外出自粛で売上が落ち込んだ「飲食業」が15件、「アパレル関連」が10件と、個人消費関連の業種が圧倒的に多い。また、イベント自粛や休校の煽りで学校給食用食材を扱っていた「食品製造業」が9件、結婚式場やパチンコホールなどの「サービス業、娯楽業」も8件発生。このほか、食料品卸、機械製造卸、出版など、様々な業種に経営破たんが及んでいる。
「新型コロナ」の感染拡大の終息が見通せず、休業要請などで中小・零細企業は苦境に立たされている。さらに、もともと中小企業は、人手不足に伴う人件費上昇や消費増税などで厳しい業績が続いたところに、新型コロナが重なりひっ迫度合いを強めている。この「新型コロナ」関連倒産状況は、負債1000万円以上の私的整理、法的整理を対象に集計しているものなので、負債1000万円未満のものを含めると実態はより厳しい状況にある。
4月27日に「新型コロナ」関連の経営破たんが100件に達した。翌28日も酒類卸売業、撮影スタジオ向けの合板販売業など5件が発生した。政府は感染拡大の防止のため、外出自粛と休業を要請したが、長引くに従い経営に及ぼす影響は大きくなっている。経営破たんは2月2件、3月23件、4月は28日までで80件と、4月だけで経営破たんの7割以上(76.1%)を占めている。
4月28日は、大阪府の旭東電気(株)が資金を支援していた中国の現地法人の資金不足から、「新型コロナ」関連の製造業で最大の負債62億円で民事再生法の適用を申請。次第に中小から中堅企業にも広がってきた。27日に日本銀行が追加の金融緩和策を決定したが、金融機関からの資金調達や国、自治体の緊急融資は申請手続きで後手に回っており、休業中の企業、商店への協力金給付は早急に実施しないと、時間的猶予は限界に近づいている。
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