東京商工リサーチが発表した「新型コロナウイルス」関連倒産状況によると、4月10日12:00現在、全国で「新型コロナ」関連の経営破たんが51件(倒産26件、準備中25件)に達したことが分かった。「新型コロナ」関連の経営破たん第1号は、2月21日までに事業を停止し、破産準備に入った(株)冨士見荘(愛知県蒲郡市、3月30日破産開始決定)だったが、それから2ヵ月足らずで50件に達した。
都道府県別では、最多が「北海道」の7件(倒産5件、準備2件)、次いで、「東京都」6件、「兵庫県」4件、「大阪府」・「福岡県」が各3件など、28都道府県に拡大。業種別では、「宿泊業」12件(同7件、同5件)、「飲食業」7件(同3件、同4件)と2業種に集中している。だが、外出自粛の要請が浸透するにつれて、来店客が減少した小売業、食品製造業、アパレル販売など、インバウンド需要と消費者対象の小・零細企業に広がっている。
出版業、卸売業、製造業のほか、イベント自粛だけでなく人が集まることを避けて葬儀の手控えも増え、葬祭業やケータリングサービス業者でも経営破たんが発生している。一方、海外からの原材料の仕入れが困難になったケースでは、管材・住宅設備機器卸業やゴム風船メーカーで倒産が発生。特に、ゴム風船メーカーは海外からの材料仕入が困難になっただけでなく、国内のイベント自粛で売上も急減し、四面楚歌の状態で破産に追い込まれた。
「新型コロナ」の影響は、業種を問わず広がっている。影響が長びくと、経営破たんは経営体質基盤の弱い零細・中小企業だけでなく、中堅企業にも広がることが懸念されている。