新型コロナ、企業の80.3%が「業績にマイナス」

 帝国データバンクがこのほど発表した「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」結果(有効回答数1万1330社)によると、新型コロナウイルス感染症による自社の業績への影響は、「(既に+今後)マイナスの影響がある」と見込む企業は80.3%と、8割超にのぼった。前回調査(2020年2月、63.4%)と比較すると、16.9ポイント増加しており、業績への悪影響をさらに実感している様子がうかがえた。

 また、内訳は、「既にマイナスの影響がある」が46.5%(2020年2月、30.2%)、「今後マイナスの影響がある」が33.8%(同33.2%)となった。とりわけ、既にマイナスの影響がでている企業は半数近くまで増加した。「マイナスの影響がある」と見込む企業を規模別にみると、「大企業」は82.1%、「中小企業」が79.9%、「小規模企業」が77.8%となり、企業の大小問わず、厳しい反応がみられている。

 自社の業績に「マイナスの影響がある」と見込む企業を業界別にみると、「運輸・倉庫」が84.5%と最も高く、以下、「小売」(84.2%)、「卸売」(83.8%)、「不動産」(82.0%)、「農・林・水産」(81.5%)が続いた。特に、「小売」では、62.5%の企業で既にマイナスの影響がでていた。また、「建設」は、今後の悪影響を見込む企業が41.3%となり、先行きを懸念している様子がみられた。

 さらに、「マイナスの影響がある」を前回調査と比較すると「農・林・水産」(81.5%)は、40.1 ポイント増となり、最も増加がみられた。次いで、「不動産」(2020 年2月比26.8ポイント増)、「建設」(同23.8ポイント増)、「サービス」(同23.6ポイント増)が20.0ポイント以上の増加となった。これら「農・林・水産」を始めとした4業界では、この1ヵ月の間で業績への悪影響が顕著に表れていた。

 「マイナスの影響がある」と見込む企業を業種別にみると、「家具類小売」が100.0%、以下、「飲食店」(98.2%)、「繊維・繊維製品・服飾品小売」(97.0%)、「旅館・ホテル」(96.8%)、「繊維・繊維製品・服飾品卸売」(96.6%)が9割台後半で続く。また、「既にマイナスの影響がある」企業は、「娯楽サービス」が84.2%でトップ、次いで「旅館・ホテル」(83.9%)、「飲食店」(83.6%)、「広告関連」(81.7%)が8割台で上位に並んでいる。

 同調査結果は↓

http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p200402.pdf