2019年の転職者数は351万人と過去最多~総務省

 総務省がこのほど発表した統計トピックスによると、転職者数の推移は、2006年及び2007年(ともに346万人)をピークとして、2008年のリーマン・ショックの発生後、2010年にかけて大きく減少した。2011年以降は緩やかな増加傾向で推移し、2019年は351万人と、比較可能な2002年以降で過去最多となった。男女別にみると、2002年以降、女性の転職者数が男性をおおむね上回る水準で推移している。

 転職者比率を年齢階級別にみると、総数に比べて水準の高い15~24歳及び25~34歳では近年ほぼ横ばいで推移していたが、2019年は前年に比べて大きく上昇した。転職者の前職の離職理由をみると、事業不振や先行き不安などの「会社都合」は、リーマン・ショックの翌年の2009年に大きく増加したが、2013年以降は減少傾向で推移。一方で、「より良い条件の仕事を探すため」が、2019年は127万人と、2002年以降で過去最多となった。

 転職後の勤め先の従業者規模では、「従業者規模1~29人」に勤務する雇用者は2010年以降ほぼ横ばいで推移。「30~499人」は、「1~29人」と同様、近年ほぼ横ばいで推移していたが、2018年以降は120万人を超える水準で推移している。比較的従業者規模の大きい「500人以上」では、「1~29人」や「30~499人」と比べて水準自体は低いものの、近年緩やかな増加傾向がみられ、2019年は92万人と、2002年以降で過去最多となった。

 転職者について、前職及び現職の従業上の地位・雇用形態別の推移をみると、同一雇用形態間の転職、特に「非正規雇用間」の転職者が多数を占めている。2019年の転職者について、前年からの増加幅(22万人増加)の内訳をみると、「同一雇用形態間での転職」が11万人の増加、「雇用形態に転換があった転職」が6万人の増加、「正規・非正規雇用間以外の転職」が5万人の増加となっている。

 2019年の「同一雇用形態間での転職」の前年からの増加幅(11万人増加)の内訳について、定年後の再就職・再雇用を含む55歳以上を除いた15~54歳でみると、「正規雇用間」は7万人、「非正規雇用間」は2万人の増加。また、15~54歳の正規・非正規雇用間の転職者のうち、雇用形態が転換した者は、2012年以降、8年連続で「非正規雇用から正規雇用に転換した者」が「正規雇用から非正規雇用に転換した者」を上回る状況が続いている。

 この件は↓

https://www.stat.go.jp/data/roudou/topics/pdf/topics123.pdf