東京商工リサーチが発表した「2017年全国社長の出身大学調査」結果によると、社長の出身大学のトップは、来年創立130周年を迎え、約116万人の卒業生を数える“マンモス大学”「日大」の2万2183人で、調査開始以来8年連続トップとなった。卒業生が圧倒的に多いこともあり、唯一の2万人超え。次いで、2位が「慶大」の1万918人、3位が「早大」の1万696人と続く。この上位3校は1万人を上回り抜け出ている。
以下、「明大」8866人、「中大」8146人、「法大」6505人と、東京都に本部を置く大学が続く。関東以外では7位に「近大」、9位に「同志社大」、10位に「関大」の近畿勢3校が入り、10校すべてを私立大学が占めた。国公立大学では、11位の「東大」3878人を筆頭に、21位に「京大」2489人、22位に「阪大」2414人、26位に「北大」2161人、27位に「九大」1984人、29位に「東北大」1927人と、旧帝大が並ぶ。
また、都道府県別では、日大出身の社長が19都県(前年20都県)でトップを占めた。特に、東北・関東で目立ち、日大が上位3校に入っていないのは、東日本では宮城県と愛知県のみ。西日本では9府県だった。日大出身の社長が地元大学を上回り、全国で多いのは、(1)卒業生が116万人超、(2)全国各地の付属校・系列校から地方の企業経営者の子息、子女が大学へ進学し、卒業後に事業を継承している、などが背景にあるとみられる。
都道府県別で、地元大学(東京都を除く)が社長出身大学のトップを占めたのは、東日本では「北大」(北海道)、「岩手歯大」(岩手県)、「東北学院大」(宮城県)などの8校(前回7校)。西日本では、「同志社大」(京都府)、「近大」(大阪府)、「甲南大」(兵庫県)、「鳥取大」(鳥取県)、「島根大」(島根県)、「岡山大」(岡山県)などの16校(前年15校)だった。東西ともに前年より地元大学出身社長が増え、地元色が強まっている。
2017年の社長出身大学ランキングは、日大のトップが揺るがなかったが、都道府県別では、日大がトップを占めたのは東日本を中心に前年より1県減って19都県にとどまり、全県制覇には及ばない。逆に西日本では地元や地域大学の強さが目立った。地方の学生の進学が地元大学に定着することで、人材流出の改善も期待される。このため都道府県別の社長の出身大学の動きは、地方再生の動きを知る、一つのバロメーターになるとみられる。
同調査結果は↓
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20181009_02.html