大阪シティ信用金庫が取引先企業を対象に9月上旬に実施した「中小企業における人手不足と対応等に関する調査」結果(有効回答数1309社)によると、人手の現状は、「足りている」とした「充足企業」は64.7%だった。これに対し、「不足している」とした「不足企業」は35.3%と、およそ3社に1社が人手不足の状況にある。これを2年前の2016 年に実施した調査と比較すると、「不足企業」割合は▲2.2 ポイントとわずかに減少した。
業種別でみると、不足度合いに大きな格差がみられる。「運輸業」(59.2%)や「建設業」(47.0%)で「不足企業」割合がとくに高くなっており、人手不足感が強い。一方で、「小売業」(22.2%)や「卸売業」(25.8%)、「サービス業」(27.5%)は不足感が弱い。さらに従業者規模別でみると、規模が大きくなるほど「不足企業」企業割合が高くなっており、「5人未満」の23.3%に対し、「50人以上」では49.2%にのぼる。
人手不足企業が人手不足と感じている分野(複数回答)は、「技術系」と答えた企業が63.4%で最も多く、以下、「技能系」が32.5%、「営業系」が24.0%、「事務系」が10.0%となっている。業種別でみると、「製造業」(79.3%)と「建設業」(75.5%)で「技術系」の割合が圧倒的に高く、「卸売業」(76.6%)と「小売業」(50.0%)で「営業系」の割合が高くなっており、それぞれ業種特有の事情が表れている。
人手不足企業が人手不足になった原因(複数回答)は、「仕事量が増加したから」が54.5%で最も多く、5割を超えた。次いで、「退職により欠員が出たから」が35.5%、「既存業務が拡大したから」が26.2%などで続いた。業種別でみると、業種間で大きなバラツキがみられ、「建設業」(74.5%)や「製造業」(58.6%)で「仕事量の増加」が、「卸売業」(42.6%)や「サービス業」(39.1%)で「既存業務の拡大」の割合が最も高くなっている。
人手不足への対応策(複数回答)は、「人員募集をかけている」と答えた企業が72.5%。求人以外の対応策としては、「残業や休日出勤、仕事の兼務など(現人員で対応)」が36.8%であり、限られた人員で何とか対応せざるを得ない状況がうかがえる。さらに、「仕事を外注に回している(外注活用)」が27.3%、「省力化・効率化など業務の見直しを進めている」が15.8%、「受注を抑えている(受注制限)」が12.8%となっている。
同調査結果は↓
http://www.osaka-city-shinkin.co.jp/houjin/pdf/2018/2018-10-10.pdf