リクルートキャリアがこのほど発表した「兼業・副業に対する企業の意識調査」結果(有効回答数2271社)によると、社員の兼業・副業を「推進している」企業は3.6%、「容認している」企業は25.2%で、推進・容認合計は28.8%と約3割となった。業種別の推進・容認は、「サービス業」が最も高く38%、次いで「運輸業」、「情報通信業」がともに31.4%。従業員規模別では、「10~49人」が45.4%、「50~99人」が31.4%と高い。
兼業・副業に関する就業規則は、「兼業・副業を就業規則で禁止している」企業が60.8%、次いで、「兼業・副業に関する規定自体がない」が17.4%。また、兼業・副業を禁止している企業のうち、「兼業・副業を就業規則で禁止している」企業は85.4%。兼業・副業を推進・容認している企業のうち、「兼業・副業の規定はあるが、特に手続きは定めていない」が28.9%で最多、次いで、「規定自体がない」が25.2%だった。
兼業・副業を推進・容認している理由(複数回答)については、「特に禁止する理由はないから」が42.5%と最多、次いで、「社員の収入増につながるため」(38.8%)、「人材育成・本人のスキル向上につながるため」(24.2%)などが挙げられた。社員が兼業・副業を行う際に会社から要求する条件(複数回答)は、「本業に支障が出ないこと」が79.1%と最多、次いで、「会社の社会的信用を傷つけないこと」が56.6%となっている。
一方、兼業・副業を禁止している理由(複数回答)は、「社員の長時間労働・過重労働を助長するため」が44.8%と最多、次いで、「情報漏洩のリスク」(37.9%)、「労働災害の場合の本業との区別が困難なため」(34.8%)、「人手不足や人材の流出につながるため」(33.0%)などが続いた。業種別にみると、全ての業種で「社員の長時間労働・過重労働を助長するため」が最も多くなっている。
将来的に兼業・副業を認めることについては、「現在検討中」が7.5%、「検討したい」が9.2%と、計16.7%の企業が将来、兼業・副業を容認する意向にある。「検討していない」は59.5%。また、他社で働く人を、自社での兼業・副業として受け入れる意向については、「すでに受け入れている」が13.1%、「検討中」が8.7%、「検討したい」が18.8%となっており、副業・兼業での受入れに対して前向きな企業が4割程度あった。