現役期間に目途がない経営者は6割強~信金中金調査

 信金中央金庫が発表した「中小企業経営者と『人生100年時代』に関する特別調査」結果(有効回答数1万4036社)によると、10年先の自社の経営展望については、「現状維持・横ばい」が49.4%と最も多く、「事業拡大」(27.1%)が続いた。「事業縮小」は6.7%、「廃業・事業譲渡予定」は4.3%、「わからない」は12.4%。経営者の年齢階層別にみると、若い企業ほど「事業拡大」の回答割合が高い傾向にある。

 経営者として現役を続ける目途については、「具体的な年齢の目途はない」が61.8%と6割強を占めた。年齢の目途がある企業では「70~74歳」(12.6%)や「65~69歳」(12.0%)が、目途がない企業では「後継者に托せるようになるまで現役」(27.5%)や「健康が続く限り生涯現役」(23.3%)が多い。規模別にみると、規模が小さい企業ほど「健康が続く限り生涯現役」や「まったく考えていない」との回答割合が高かった。

 経営者を引退した後の生活資金については、「十分だと思う」が50.5%と半数に達した。対して、「まだ不十分だと思う」は27.4%。また、「まだ考えていない」は19.8%、「引退しない」は2.3%。「十分だと思う」の内訳をみると、「貯蓄・資産がすでに十分にある」(17.8%)、「何とかなる」(17.0%)が、また、「まだ不十分だと思う」の内訳をみると、「貯蓄・資産が十分ではない」(14.2%)、「なんとなく不安である」(10.5%)がそれぞれ多かった。

 経営者の個人としての資産管理・運用については、「預貯金(円貨)」が66.9%と、ほかの選択肢を大きく引き離した。以下、「不動産」(22.2%)、「個人年金保険」(21.2%)、「共済等その他保険商品」(12.4%)、「株式」(12.0%)、「投資信託」(9.5%)が続いた。また、「何もしていない」は17.0%。規模別にみると、「預貯金(円貨)」や「株式」は規模が大きい企業で多く、「何もしていない」は規模の小さい企業で多い傾向にあった。

 現役を退いた後の生活イメージについては、「趣味や娯楽」(42.8%)が最も多く、以下、「家族との時間を過ごす」(37.2%)、「そのときに考える(今は考えていない)」(25.9%)、「現役を退いても会社に関わりたい」(14.1%)が続いた。「趣味や娯楽」や「家族との時間を過ごす」は、地域や規模、業種を問わず、回答割合が高かった。経営者の年齢階層別にみると、若い企業ほど「家族との時間を過ごす」の回答割合が高くなる傾向にあった。

 同特別調査結果は↓
http://www.scbri.jp/PDFtyuusyoukigyou/scb79h30M173.pdf