消費増税、駆込み需要少なく中小企業は負担増か

 中小企業家同友会全国協議会(中同協)は、消費増税の影響について2019年10月に会員企業に向けた緊急アンケートを実施、44都道府県1323社が回答した。その結果によると、増税直後の調査だったが、「大きな影響が出ている」(5%)、「若干の影響が出ている」(24%)と何らかの影響が出ていると回答した企業が29%にのぼった。さらに、「今後、影響が出る」(25%)と、これからの影響を危惧する企業も少なくないことが分かった。

 消費増税の影響の具体的な内容(複数回答)としては、「特にない」との回答企業が33%と最も多かったものの、それ以外では、「仕入金額の高騰」(31%)、「駆込み反動による売上減少」(22%)への指摘が多くあった。また、「駆込み需要の発生」は12%に過ぎなかった。そのほか、「軽減税率対応の負担」(9.4%)、「キャッシュレス対応の負担」(8.8%)は全体では9%前後だが、流通・商業では14~17%近くにのぼっている。

 消費増税分の販売価格への転嫁状況は、「全てできた」と回答した企業は45%と半数に届かず、過半数の企業が何らかの形で自社負担していることが明らかになった。特に建設業で「全てできた」と回答する割合が低く、価格転嫁が厳しい環境にあることが推察される。「ほぼできた」は26%、「部分的にできた」は17%となり、全て又は一部でも転嫁できた企業は計88%となる一方で、12%の企業が「全くできていない」と回答している。

 今回の増税及び政府の対策については、「再検討すべき」との意見が「軽減税率」(74%)、「ポイント還元」(61%)、「インボイス制度」(47%)のいずれでも多数を占めた。消費税率10%については、「現行通り」49%、「再検討すべき」37%と回答が分かれたが、「現行通り」と回答した人の中には、記述意見では「やむを得ない」、「仕方ない」などの消極的な肯定の意見も目立った。

 同調査結果は↓

https://www.doyu.jp/news/191112-124744.html