帝国データバンクが11日に発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、10月の倒産件数は785件で、前月比は14.3%の増加、前年同月比でも5.1%の増加となり、2ヵ月連続で前年同月を上回り、今年では最多となった。業種別では、7業種中、製造業や小売業など5業種で、また、地域別では、9地域中、東北や中国などの6地域で、前年同月に比べそれぞれ増加した。
一方、負債総額は910億7900万円(前月1059億1600万円、前年同月1128億5600万円)となり、前月比では▲14.0%減少、前年同月比でも▲19.3%の減少となり、5ヵ月連続で前年同月を下回った。負債50億円以上の倒産が発生せず、10月としては比較可能な2000年以降で最小を記録した。負債トップは、(株)セーフティーアイランド(兵庫県、民事再生)の約49億3700万円だった。
倒産件数を業種別にみると、7業種中5業種で前年同月を上回った。このうち製造業(111件、前年同月比30.6%増)は原材料価格や人件費の上昇などが重なり、飲食料品製造(24件)、印刷業(10件)などで増加。小売業(195件、同12.1%増)は飲食店(72件、同53.2%増)の増加が引き続き目立ち、5ヵ月連続の増加となった。一方、運輸・通信業(15件、同46.4%減)、サービス業(175件、同3.8%減)の2業種は前年同月を下回った。
負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は512件(前年同月比13.3%増)で、構成比は65.2%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満の合計が542件(同10.8%増)で構成比は69.0%と高水準で推移。負債5000万円未満の倒産では、小売業(159件)が構成比31.1%を占め最多、サービス業(131件)が同25.6%で続いた。
地域別にみると、9地域中6地域で前年同月を上回った。東北(45件)は食品加工などの製造業(9件、前年同月比80.0%増)や、飲食料品などの小売業(12件、同71.4%増)の増加で前年同月比55.2%増。中国(52件、同26.8%増)は2012年7月以来、7年3ヵ月ぶりに50件超となり、なかでも広島県(34件、同30.8%増)は人手不足などによる建設業と製造業の増加で、比較可能な2000年以降で最多となった。
同倒産状況の概要は↓