リサーチ総研が消費者による今後1年間の見通し判断を調査した8月の消費者心理調査結果(有効回答数1160人)によると、前回6月はおよそ2人に1人が先行き悪化を見通していた景況感が、勢いは弱いものの回復へと転じ、景気見通し指数も小幅な持ち直しが見られる。物価「上昇」見通しは6月から僅かに減少、6調査ぶりのマイナス。また、失業「不安」見通しは3調査ぶりのプラスも微増にとどまり底堅く推移した。
消費者心理は、6月と同様に横ばい状態で、2月以降は停滞しており、先行き方向性の見えない膠着した状況にある。消費者の景気、雇用、収入、物価等に対する見通しの変化を反映した消費者心理の総合指標ともいうべき生活不安度指数は、8月は125となり、前回6月から横ばい。同指数は18年12月にかけて116まで低下、持ち直し方向にあったが、翌2月は126へと後退に転じ、以降は横ばい圏で推移、方向の定まらない状態が続いている。
生活不安度指数のもととなる今後1年間の暮らし向きの見通しは、「良くなる」9.8%、「変わらない」53.9%、「悪くなる」26.2%。先行きの景況感は、「良くなる」10.9%、「変わらない」30.3%、「悪くなる」45.4%。この回答割合を指数化した8月の国内景気見通し指数は44となり、前回6月の37から7ポイント上昇、2調査ぶりの回復となった。ただし、前々回4月の水準には届かず、さらに前年同月比も7調査マイナス状態が続いている。
雇用(失業不安)の先行き見通しでは、「不安」と答えた人は56.6%、「不安なし」は40.8%。雇用の先行きは6月から緩やかな後退にとどまっている。収入の先行き見通は、「増える」人は14.9%、「変わらない」人は48.7%、「減る」人は27.3%。6月調査と比べると、「増える」はほぼ横ばい、「減る」は僅かに縮小し、8月はマイナス値が6月から4調査ぶりに縮小して、足踏みの続いていた収入見通しは小幅な持ち直しを示している。
物価の先行き見通しでは、「上昇」は74.4%、「変わらない」は12.9%、「下落」は2.2%。6月と比べると、「上昇」は僅かに減少、6調査ぶりのマイナス。一方、「下落」は微増、17年2月以来で2%を上回った。消費者の物価見通しは、3調査連続で「上昇」が7割を上回るなど、15年8月以来で上昇圧力の高い状態にあるものの、6月と比べると、「変わらない」、「下落」がプラスを示し、上昇基調に変化もうかがえる。
以上、8月の消費者心理は横ばいで、2月以降はほぼ停滞が続き、前回6月同様に、先行きの見通せない状況にある。なお、今後1年間が商品等を購入するのに「良い時」か「悪い時」かについて尋ねた8月の購買態度指数は、6月と比べて「不動産」(82→79)、「自動車」(87→80)、「耐久財」(100→91)のすべてで低下。いずれも消費税が8%に引き上げられた14年4月に一致、または次ぐ低い水準まで後退している。
同調査結果は↓