8月の倒産669件、3ヵ月ぶりの前年同月比減少

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、8月の倒産件数は669件で、前月比は14.6%の減少、前年同月比でも1.2%の減少となり、3ヵ月ぶりに前年同月を下回った。業種別では、7業種中、建設業などの3業種で、また、地域別では、9地域中、中部や中国などの4地域で、前年同月に比べそれぞれ減少した。

 一方、負債総額は837億2100万円(前月916億9000万円、前年同月1129億2900万円)となり、前月比では8.7%減少、前年同月比でも25.9%の減少となり、3ヵ月連続で前年同月を下回り、8月としては比較可能な2000年以降で最小となった。負債5000万円未満の倒産が6割超となったほか、負債100億円規模の倒産は発生しなかった。負債トップは、(株)ひびき(民事再生、埼玉県)の約77億900万円だった。

 倒産件数を業種別にみると、7業種中4業種で前年同月を上回った。小売業(161件、前年同月比8.1%増)は、飲食料品小売(32件、同23.1%増)などで増加が目立ち、3ヵ月連続の前年同月比増加となった。一方、3業種は前年同月を下回った。建設業(100件、同20.0%減)は、職別工事(39件、同32.8%減)と設備工事(14件、同44.0%減)の減少が大きく影響した。

 負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は427件(前年同月比7.8%増)で、構成比は63.8%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満の合計が466件(同6.4%増)で構成比は69.7%と高水準で推移。負債5000万円未満の倒産では、小売業(116件)が構成比27.2%を占め最多、サービス業(93件)が同21.8%で続いた。

 地域別にみると、9地域中5地域で前年同月を上回った。関東(248件、前年同月比8.3%増)は、千葉県や東京都の小売業が増加傾向で推移していることなどを受け、3ヵ月連続の前年同月比増加。北陸(22件、同29.4%増)は、低水準が続いていた前年の反動もあり、5ヵ月連続で前年同月を上回った。一方、中部(91件)が前年同月比11.7%減、中国(20件)が同48.7%減となるなど、4地域で二ケタ減となった。

 同倒産状況の概要は↓

http://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/1908.html