パーソル総合研究所がこのほど発表した「APAC(アジア太平洋地域)就業実態・成長意識調査(2019年)」結果(有効回答:APCA14の国・地域各1000人)によると、現在、非管理職の就業者に聞いたところ、日本は管理職になりたい人の割合が21.4%で、APCA14の国・地域で最も低く、日本は管理職志向が最も低いことが分かった。同調査は、APCAと日本の「はたらく意識」の特徴を国際比較したもの。
管理職志向が最も高いのは「インド」(86.2%)、以下、「ベトナム」(86.1%)、「フィリピン」(82.6%)、「タイ」(76.5%)と続く。また、会社で出世したいという出世意欲についても日本は2.9点(5段階尺度の平均値)で最も低い結果となった。最も高いのは「タイ」(4.7点)、以下、「フィリピン」(4.6点)、「インド」(4.5点)と続く。日本は管理職志向・出世意欲ともに最低で、日本の上昇志向は14の国・地域のうち、最も弱いことが分かった。
さらに、会社を辞めて独立・起業したいという起業・独立志向でも、日本は15.5%で最も低い。一方、「インドネシア」(56.4%)や「タイ」(51.3%)など東南アジア(「シンガポール」(26.9%)以外)、「インド」(53.4%)、「中国」(42.9%)では、起業・独立志向は4割を超えている。他方、仕事選びで重視する点について、日本のみが「職場の人間関係」や「休みやすさ」がベスト3に入っており、独自の傾向がみられる。
次に、ダイバーシティに関して、日本は、「女性上司のもとで働くことに抵抗はない」(5段階尺度の平均値3.8点、トップは「ニュージーランド」と「タイ」の4.4点)で最下位、「外国人と一緒に働くことに抵抗はない」(同3.5点、「タイ」の4.4点)で最下位、「年下上司のもとで働くことに抵抗はない」(同3.5点、「ベトナム」の4.4点)でワースト2。一方、オセアニアや東南アジア、インドは「抵抗感はない」割合が高い傾向がみられる。
また、日本は勤務先に関する満足度も低い。「会社全体」に満足している人の割合は52.3%、「職場の人間関係」は55.7%、「直属の上司」は50.4%、「仕事内容」は58.2%であり、これらは全て最下位だった。さらに、「今の勤務先で働き続けたい」人の割合について、日本は52.4%で最下位。一方で、日本の「転職意向」は25.1%でこちらも最下位と、勤め続けたいとそれほど思っていないが、積極的な転職も考えていないことが分かった。
同調査結果は↓