新入社員の就職活動、「(ほぼ)順調だった」が約6割

 東京商工会議所が発表した「2019年度中堅・中小企業の新入社員意識調査」結果(有効回答数1100人)によると、就職活動は「順調だった」(21.8%)、「ほぼ順調だった」(37.0%)の合計が58.8%(昨年度比2.9ポイント増)となり、3年ぶりに増加したことが分かった。2012年度来、過去2番目の高さとなった。従業員規模別でみると、101~500名で「(ほぼ)順調だった」が62.5%と最も多く、500名以上ではその割合が減少している。

 就職活動で苦労したこと(3つまで選択)については、「自分のやりたいことがわからず悩んだ」(56.5%)、「スーツや交通費に予想以上にお金がかかった」(34.7%)、「内定の決定が遅く活動期間が長かった」(29.1%)の上位3項目は昨年度と変わらない。一方で「採用枠が少なく競争が激しかった」(24.7%)が減少傾向で2012年度以来最低となり、学生優位の売り手市場を示す傾向がうかがえる。

 就職活動の開始時期は企業の広報活動開始日とされる「昨年の3月前」が昨年の30.2%から34.8%へと増加。内定時期も企業の選考開始日とされる6月1日より前に内定を得た割合が同17.7%から21.7%と増加している。また、1人当たりの平均内定数は、全体平均で1.75社と昨年度から横ばいとなった。大卒では文系・理系ともに高水準で推移し、1人当たり平均約2社の内定を得ている。

 入社した会社を知った経緯は、「求人情報サイト」が34.5%(昨年度比▲3.4%)と減少したが、2位以下を大きく引き離している。入社した会社を選んだ理由(3つまで選択)は、「仕事の内容がおもしろそう」(42.6%)、「職場の雰囲気が良かった」(39.8%)、「自分の能力・個性が活かせる」(35.5%)の順で昨年度と変わらない。「待遇(給与・福利厚生等)が良い」(25.3%)の増加傾向が顕著で、2019年度は25%を超える結果となった。

 今の会社でいつまで働きたいかについては、「定年まで」が21.3%(昨年度比▲3.9ポイント減)と減少し、2011年度以来、最低を記録。一方で「チャンスがあれば転職」が18.6%(同3.0ポイント増)と増加。「将来は独立(5.5%)」を加えると24.1%に上り、入社した時点で既に4人に1人が転職や独立を考えている。また、社会人生活を送ることで感じる不安では、「仕事と私生活とのバランスがとれるか」(51.4%)が最も多かった。

 同調査結果は↓

https://www.tokyo-cci.or.jp/file.jsp?id=1017697